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電子カルテ運用のポイント ~生活習慣病管理科~
2022.09.09
生活習慣病指導管理料は2002年(H14)に新設された医学管理項目です。生活習慣病の治療計画に基づき、服薬、運動、休養、栄養等総合的な治療管理を行ったことに対する評価と位置付けられています。令和4年改定では、従来の包括内容や点数の見直し等が行われるとともに、治療計画に基づいた更なる管理に加えて多職種連携による管理の推進等の要件が見直されました。
本稿では、上記変更に伴う運用の留意点やカルテ記載について、お伝えさせていただきたいと思います。
Point1: 投薬の費用は算定可能に
以下が別途算定できます。
<院外処方の場合>
処方箋料・処方箋料の特定疾患処方管理加算1及び2
<院内処方の場合>
処方料・処方料の特定疾患処方管理加算1及び2・薬剤料
※「院外処方」と「それ以外」で区別されていた点数区分は廃止となりました。
Point2: 算定要件の変更点及び留意点
「糖尿病と高血圧症の患者数の記録」が削除されました。
引き続き、管理方針を変更した場合の理由及び内容のカルテ記録は必要な点はご留意下さい。
<カルテ記載> 対象 : 糖尿病と高血圧症の患者 治療効果が十分でない等のため生活習慣の管理方針の変更、 薬物療法の導入、投薬内容の変更等、管理方針を変更した場合 ⇒ 理由と内容等をカルテに記載。 |
<カルテ添付> 対象 : 算定患者共通 患者に交付した療養計画書の写しをカルテに添付。 記載事項:以下について必要な事項を記載。 服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、 特定健診・特定保健指導に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等 糖尿病と高血圧の患者は必ず下記を記載。 糖尿病 ⇒ 血糖値とHbA1c値 高血圧症 ⇒ 血圧の値 |
Point3: 多職種連携
「治療管理は看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種として連携して実施しても構いません」
・看護師による血糖コントロール状況の管理
・管理栄養士による食事の管理
・薬剤師による服薬管理
・その他理学療法士や保健所の職員、他の保険医療機関の職員も該当します。
※ 保健所の職員または他の保険医療機関の職員と連携した場合は、
療養計画書とカルテに職員への指示内容と職員の実施内容を記載する必要があります。
(令和4年3月31日 疑義解釈その1 問161)
Point4: その他算定上の留意点
従来から変更はありませんが、以下ご説明します。
・療養計画書の変更がない場合も4月に1回以上交付 (厚生局 主な指摘事項)
・患者ごとに月ごと生活習慣病管理料を算定するか否かを選べる
・翌月に算定しないことができるのは、その症状が悪化した場合であるとされているので、留意する
(厚生局 主な指摘事項)
・対象疾患が複数の場合は主たる疾患のみで算定
・他の医療機関で管理している場合は算定不可
・生活習慣病管理料を算定した場合は同一機関内での他科受診、他疾患がある場合も包括
・同月の 生活習慣病管理料と在宅自己注射指導管理料の併算定について
⇒ 主病が「糖尿病」で、在宅自己注射指導管理料を算定している場合生活習慣病管理料を算定できません。
⇒ 主病が「高血圧症」または「脂質異常症」で、生活習慣病管理料を算定し、
糖尿病のインスリンの自己注射を指導する場合は、在宅自己注射指導管理料を算定できます。
まず院内の対象患者さんをリストアップし、出来高算定した場合と生活習慣病管理料を算定した場合をシミュレーションしていただければと存じます。
また月1回管理することで長期処方をなくす事にも繋がります。
情報提供元:株式会社ウォームハーツ