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電子カルテと画像ファイリングの「連携」のポイント

2022.12.27

 クリニックが電子カルテを導入する際、医療機器と電子カルテはどのように連携するのかという疑問が出てきます。病院の勤務医時代は電子カルテと医療機器の連動は当たり前に行われており、それがどういう仕組みであるかを知らなくても、利用することは可能でした。しかしながら、開業時は電子カルテと医療機器の連携を自ら「連携図」を設計し、構築する必要があるのです。

 

医療機器の情報をどのように管理するか

クリニックにはレントゲン、内視鏡、エコー、CTやMRIなど様々な医療画像用機器があります。これらの医療画像用機器から出力された画像データを管理するシステムとして「画像ファイリングシステム(PACSと呼ばれます)」が必要となります。また、その他にも、血液検査(院内・院外)、心電図、聴力検査などもあります。様々な医療機器がある中で、どの情報をどのように管理をするのかを考える必要があるのです。

多くの場合、これらの情報はカルテの一部として取り扱われます。紙カルテのころは、カルテに結果のレシートや画像をプリントアウトしたものを張り付けたり、書き込んだりして管理してきました。これが電子カルテになると当然、台紙になるカルテがなくなりますので、張り付けることも書き込むこともできなくなります。どうやって電子カルテで検査や画像を管理していくか、クリニックのシステム化を考える上で重要な要素となります。

 

「数値」は電子カルテに取り込む

電子カルテが一般的な現在では「システム間連携」という方法で管理をして行くことになります。このシステム間連携とは、電子カルテと画像ファイリング・検査管理システムを連携させて、診療時に一体的なシステムとして利用することを可能にするものです。基本的には外注検査の結果や院内の血液検査の結果など「数値」でアウトプットされるものは電子カルテ上で管理することが可能です。この検査結果は時系列で表示したり、グラフ化することが電子カルテの機能で実現できます。

 

「画像」は画像ファイリングで管理する

一方、レントゲンや内視鏡、エコー、CT、MRIといった「画像」でアウトプットされるデータは電子カルテでも管理は可能ですが、データ容量が大きいために、電子カルテの動作に負荷がかかることから、「画像ファイリング」で管理することが一般的です。画像ファイリングと電子カルテは、「ID連携」と呼ばれる方法で、連携を行います。これは電子カルテが保有する患者IDと画像ファイリングが保有する患者IDが一致した場合に自動的に呼び出すという仕組みです。具体的には、患者のカルテを開くと、該当する患者の画像も同時に開くことで、あたかも電子カルテと画像ファイリングが一体となって運用することが可能となるのです。

 

「書類」はスキャナーで画像ファイリングに取り込む

電子カルテや画像ファイリングを導入し、デジタル化を進めても、患者が持参した検査結果や紹介状、紙の検査結果は、どうしてもアナログデータとして残ってしまいます。これらのアナログデータはスキャンして、画像ファイリングで管理するケースが一般的です。このスキャナーで取り込む方法は、システム間連携に時間がかかったり、コストが膨大にかかる場合にも有効です。医療機器にはたいていの場合、紙による出力機能がついています。これらをスキャナー取り込むことで、たまにしか行わない検査など、コストを抑えるためにあえてシステム間連携ではなく「スキャン連携」を選ぶことでリーズナブルになることも覚えておいてください。

 

電子カルテ選びで大切な「連携実績」

クリニックにおいて、これらのシステム間連携を実現するためには、「過去の連携実績」を確認することが大切です。過去に一度でも連携したことがあれば、連携に関する仕様(方法)が確立しているために、新たに開発をすることなく、スムーズに連携することが可能です。一方、連携実績がない場合は、メーカー同士で連携に関する協議を行い、開発をしたうえで連携が可能となります。そのため、連携のために時間とコストが当然かかってきます。この連携実績が多いか少ないかは、電子カルテ選びで大変重要なポイントとなります。この実績は、長い年月と経験によって構築されていくものです。連携実績が少ないメーカーとはそれだけ過去に経験を積んでいないことになります。

 

電子カルテと医療機器の連携手順

電子カルテと医療機器の連携を進めていく手順としては、

  • 導入予定の医療機器を書き出す
  • 医療機器ごとに、どのシステムで管理するかを検討する

※基本は数値は電子カルテ、画像は画像ファイリング。

  • 電子カルテメーカーに「連携実績」を確認する

※連携実績がなければ、連携を依頼する。

   ※あえて連携しない場合は紙をスキャンして代用する。

 このような手順を踏むことで、スムーズなシステム構築が可能になります。