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令和4年度診療報酬改定のゆくえ(議論の整理)

2022.02.02

令和4年度の診療報酬改定は、「感染症対策」「地域包括ケア」「働き方改革」「医療DX」という4つの視点で改定が進められることになります。その背景には、コロナ禍で初めて行われる改定であり、露呈したデジタル化の遅れ、地域連携の未成熟、超高齢社会を受けての働き方改革が盛り込まれることとなりました。

 

議論の整理

 1月14日の厚生労働大臣の諮問に合わせて、中医協は「議論の整理(案)」を提示しました。この議論の整理(案)は、これまでの中医協での議論を整理し、改定項目に落とし込む原案となります。 以下、4つの視点でまとめられています。

Ⅰ 新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築

Ⅱ 安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進

Ⅲ 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

Ⅳ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

 

感染症対策

「感染症対策」については、コロナ禍で出された様々な特例について継続するとともに、「経過措置」については令和4年度改定で改めて盛り込むため、令和2年度の経過措置は終了するとしています。

 また、感染防止対策については、「外来診療時の感染防止対策に係る体制について新たな評価を行うとともに、感染防止対策加算について名称、要件及び評価を見直す」としています。これにより感染対策に係る内容は、今後もしばらくは名称変更などを行いながら継続していくことが予想されます。

 

外来医療と地域連携

 「外来医療と地域連携」については、「紹介状なしで受診した患者等から定額負担を徴収する責務がある医療機関の対象範囲を見直す」としており、一般200床以上の病院に範囲が拡大されることが予想されます。対象病院は現在の8.5%から16%に拡大されるため、紹介状の増加が見込まれます。

 また、新たに設けられる「紹介受診重点医療機関」と「かかりつけ医機能を有する医療機関」が、紹介先医療機関に対して診療情報を提供した場合について、新たな評価を行うとしており、診療情報提供料Ⅲの見直しが予想されます。

 

かかりつけ医

「かかりつけ医」については、「地域包括診療料」の対象疾患が見直されるとともに、 成人に対する「予防接種の相談」を要件に加えるとしています。「小児かかりつけ診療料」についても、「時間外対応に係る体制の在り方を考慮した評価体系に見直す」としています。

 前回新設された「機能強化加算」については、「診療実態も踏まえた適切な評価を行う観点から要件を見直す」としています。「生活習慣病管理料」についても、更なる利用促進を目指して、要件及び評価を見直すこととしています。

 「耳鼻咽喉科処置」については、小児に対する診療及び様々な処置の組合せを適切に評価する観点から、「包括的な評価」が新設されるとともに、耳鼻咽喉科の「基本的な処置を適切に評価する観点から評価を見直す」としています。

 

在宅医療

「継続診療加算」について算定のネックとなっている「24 時間の往診及び連絡体制の構築」について緩和することで、在宅療養支援診療所以外の診療所による在宅医療への参画が増えると考え、名称及び評価の在り方を見直すとしています。

また、外来と在宅のスムーズな橋渡しを進めるため、「外来医療を担う医師と在宅医療を担う医師が、患家において共同して必要な指導を行った場合」の評価を新設するとしています。

 

オンライン診療

 「オンライン診療」については、初診からの取り扱いが焦点となっていましたが、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を見直すことで対応することとなります。見直し案では、初診からのオンライン診療は、「かかりつけ医」を原則としつつ、それ以外の医師が実施する場合は、医師・患者間でリアルタイムの「診療前相談」を必要とするといった方針が示されています。

 その他、オンライン下での「再診料」「医学管理料」「服薬指導」等についても、コロナ禍の特例を踏まえた見直しを行うとしています。

 

オンライン資格確認

 「オンライン資格確認」については、「診断及び治療等の質の向上を図る観点から、新たな評価を行う」とし、導入についてのインセンティブが盛り込まれる予想です。オンライン資格確認の点数を過去の点数と比較して考えると、2010年に廃止されたオンライン請求のインセンティブ「電子化加算」に近いものになるのではないかと予想されます。

 その他、デジタル化についてはまずは病院での改編となりますが、「データ提出の拡大」「サイバーセキュリティ」「BCP(事業継続計画)」「標準規格の導入」など、医療DXを強く意識した内容が盛り込まれています。いずれはクリニックにも影響する内容となります。

図 全体の改定内容の関係