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令和 4 年度調剤報酬改定を受け、薬局・薬剤師はどこへ進むべきか

2022.04.21

令和 4 年度調剤報酬改定を受け、薬局・薬剤師はどこへ進むべきか

 

2022年度調剤報酬改定、皆様の薬局は落ち着きましたでしょうか。リフィル処方箋が来ていたり、オンライン服薬指導が始まったりと変化が起きているようです。

今回の改定は2015年に厚生労働省が発出した「患者のための薬局ビジョン」に沿った改定内容となっています。

「患者のための薬局ビジョン」全体を貫く基本的考え方として、次の3つが掲げられています。

1)立地から機能へ

・ いわゆる門前薬局など立地に依存し、便利さだけで患者に選択される存在から脱却し、薬剤師としての専門性や、24時間対応・在宅対応等の様々な患者・住民のニーズに対応できる機能を発揮することを通じて患者に選択してもらえるようにする。

2)対物業務から対人業務へ

・ 患者に選択してもらえる薬剤師・薬局となるため、専門性やコミュニケーション能力の向上を通じ、薬剤の調製などの対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトを図る。

3)バラバラから一つへ

・ 患者・住民がかかりつけ薬剤師・薬局を選択することにより、服薬情報が一つにまとまり、飲み合わせの確認や残薬管理など安心できる薬物療法を受けることができる。

・ 薬剤師・薬局が調剤業務のみを行い、地域で孤立する存在ではなく、かかりつけ医を始めとした多職種・他機関と連携して地域包括ケアの一翼を担う存在となる。

 

そして「患者のための薬局ビジョン」では2025年までに目指す姿を下記のように謳っております。

“急速な高齢化が進む中で、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年には、75歳以上人口の占める割合は18.1%に上昇し、認知症高齢者の数も700万人に達すると見込まれている。こうした中、2025年を目途に、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができることを目的として、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が推進されている。薬局においても、地域における既存の役割等も生かし、薬物療法に関して、こうした地域包括ケアシステムの一翼を担うことが重要であり、2025年までに、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す。

また、薬剤師についても、2025年までのなるべく早い時期に、従来の対物業務から、処方内容のチェック、多剤・重複投薬や飲み合わせの確認、医師への疑義照会、丁寧な服薬指導、在宅対応も通じた継続的な服薬状況・副作用等のモニタリング、それを踏まえた医師へのフィードバックや処方提案、残薬解消など、患者が医薬分業のメリットを実感できる対人業務へとシフトが進むことが期待される。

 

2025年までにはあと1回しか調剤報酬改定は残されていません。次の改定もかかりつけ薬局を目指すというビジョンに沿った改定内容になるものと思われます。

今回の改定は多岐に渡り、新設の項目も多く読み解くだけでも大変ですが、一つ一つ進めて行ってください。

 

■今回の改定のポイント

1)調剤基本料の考え方に受付回数や集中率の考え方以外に、300店舗以上の収益率が高い薬局という考え方が入り、300店舗以上の薬局は調剤基本料が減算された。

2)地域支援体制加算が4段階になり、実績評価がなされ、相当の実績がある薬局は点数がアップした。(立地から機能へ)

3)対物業務と対人業務を分けて、対人業務を見える化した(対物業務から対人業務へ)。

具体的には調剤料が、薬剤調製料(対物業務)と調剤管理料(対人業務)に分けられ、調剤管理料が薬学管理料に組み入れられた。

4)ポリファーマシー対策という観点から調剤管理加算が新設された。

5)2020年施行の薬機法で義務付けられた患者フォローアップが服薬管理指導料のなかに包括化された。

6)調剤料の加算だった一包化加算が外来服薬支援料2として薬学管理料に組み入れられた。

7)オンライン服薬指導の実施要件が緩和された。

8)リフィル処方箋が導入された。

9)オンライン資格確認の促進のために電子的保健医療情報活用加算が新設された。

10)在宅関連にも在宅患者医療用麻薬持続注射療法や在宅中心静脈栄養法など、複雑な時間のかかる業務に点数が新設された。

 

最後に薬局・薬剤師はどこへ進むべきかですが、国の目指す方向に外れるような進み方はすべきではなく、患者のためにと謳ってありますように、それが患者のためになると思えばその方向に進むのがよいと思います。

リフィル処方箋も大切に育てていきましょう。薬局の説明の仕方や医師への情報提供がリフィル処方箋推進の鍵になります。最初はリフィル処方箋は少ないでしょうが、みなさんの取り組み如何で医療機関がリフィル処方箋を発行しようと考えてくれたり、患者さんの認知も高まっていくものと思われます。それに絡めてオンライン服薬指導も選択肢の一つとして薬局も準備しておくとよいでしょう。今はコロナの感染が怖くて医療機関に行きたくない人、コロナに感染して自宅療養になった人、濃厚接触者になり自宅待機の人など、医療機関や薬局に行きたくても行けない人のためにオンライン服薬指導を活用する薬局もあります。それから患者フォローアップのためにオンラインを活用する薬局もあります。また、オンライン服薬指導の実施要件が緩和され、施設の患者さんにもできるようになりました。在宅の患者さんにリフィル処方箋を活用できないか、あるいはオンライン服薬指導を活用できないかなども考えていきましょう。

新しいものに挑戦するのは大変ですが、時代の変化を敏感に察知して薬局としての取り組みを考えていってください。

 

(筆者)

吉岡ゆうこ

一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会 代表理事

有限会社ネオフィスト研究所所長