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診療科別DXの進め方①

2022.07.13

クリニックにおけるDXを考える際、現状の「困りごと」に対して、デジタル機器を導入することで業務改革が図れるかを考える必要があります。困りごとについては、クリニックごと、診療科ごとに異なります。困りごとは十人十色なのです。そこで、今回は診療科ごとに困りごとを解決するために、どのようにDXに取り組んでいくか考えます。

 

電子カルテを中心とした医療機器や周辺システムの連携は、クリニックDXにおいて必要不可欠となりました。DXとはDigital Transformationの略ですが、日本語に訳すと「デジタル機器を活用した業務改革」となります。

DXはデジタル化が目的ではなく、デジタルによる改革が目的となるので、当然、従来業務をデジタルに置き換えるだけでは不十分であり、新たな価値を生み出す必要があるのです。クリニックがDXによって、患者に新たな価値を提供することで、患者から支持されるクリニックへ生まれ変わることが可能となるのです。

 

内科のDX

 内科クリニックがDXを考えた時、どんな業務改革をしたいかを考えてみましょう。内科クリニックは慢性疾患が多く、定期的な患者の「リピート率向上」を進めたいと考えます。患者が定期的に来なくなる理由は、「忙しいから」「混んでいるから」「受診が面倒だから」といった理由が思い浮かびます。つまり、これらの受診のハードルを下げることができれば、患者はコンスタントに受診するようになります。

 忙しい患者に対しては、検査が毎回ない場合は、オンライン診療で対応するのが一つの考え方です。継続的な処方のフォロー、検査結果の説明であれば、オンライン診療でも十分対応可能だと考えます。また、毎回検査がある場合は、クリニックの滞在時間をできるだけ短くする必要があり、予約システムやWeb問診などを活用して時間短縮を図ることになります。予約時間の通りに受診でき、滞在時間も短ければ、受診に対する抵抗が少なくなります。「ちょっとの合間に受診できる」という体制の構築が必要となるのです。

 

整形外科のDX

整形外科クリニックがDXを考えた時、どんな業務改革をしたいかを考えてみましょう。整形外科クリニックは、高齢の患者が多く、朝の時間にリハビリの患者が集中する特性があります。患者は「朝から並び、やっと自分の番になったら、もうお昼」といった状況を改善する必要があるのです。つまり、デジタル機器を活用して、クリニックの「滞在時間の短縮」を目指す必要があるのです。

患者がスムーズにリハビリ(運動器リハビリ・物理療法)を行うためには、受付、リハビリ、会計の流れをできるだけ効率的に回す必要があります。運動器リハビリは、セラピストの予定と患者の予定を合わせ、物理療法は、リハビリ機器の予定と患者の予定を合わせる必要があります。この管理を、デジタルのアポイント帳で管理することが大切です。また、受付および会計は再来受付・自動精算機などを活用して自動化を図ることで効率化が図れます。

 

皮膚科のDX

 皮膚科クリニックがDXを考えた時、どんな業務改革をしたいかを考えてみましょう。皮膚科クリニックは、患者が多く処置も多いという特性があります。そのため、待合室はいつも患者であふれています。また、皮膚科は患部を露出し確認する必要があり、衣服の着脱が伴います。これが重なることで、患者の順番が進まない原因ともなるのです。つまり、多くの患者を同時並行で診察していくことができるかが、DXのポイントとなります。

複数の患者を同時並行で診察するためには、物理的に複数の診察室兼処置室を用意する必要があります。複数の診察室で、患者の対応を医師、看護師、クラークが交互に対応していくための体制づくりが必要となります。部屋をカーテンなどでしきり、電子カルテを複数台用意し、患者の部屋を医師及びスタッフが交互に訪れるような仕組みを作る必要があるのです。

 

耳鼻咽喉科のDX

耳鼻咽喉科クリニックがDXを考えた時、どんな業務改革をしたいかを考えてみましょう。耳鼻咽喉科クリニックは、患者が多く処置も多いという特性があります。また、季節によって患者の増減が発生します。冬から春にかけては、待合室はいつも患者であふれています。つまり、耳鼻咽喉科ではピーク時の多くの患者を待ち時間なく診察することができるかがDXのポイントとなります。

耳鼻咽喉科は、診察室ごとの患者の「回転率」に注目する必要があります。回転率を上げるためには、患者の診察室での滞在時間をできるだけ短くする必要があります。受付スタッフが、患者のニーズを「先読み」し、「検査の準備」をどれだけ前倒しでできるかが大切になります。「Web問診」を初診時、再診時にしっかり活用すれば、患者の受診前に、レントゲン、内視鏡、聴力検査などの必要性を把握することが可能です。また、患者誘導をスムーズに進めるために、インカムなどを使って、介助及びクラークにリアルタイムで伝えることも大切です。