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電子カルテ選考方法とスケジュール

2022.07.27

現在40社以上の電子カルテメーカーが存在します。数多ある電子カルテの中から最適の1社を選ぶためには、選定プロセスはとても大切です。そこで、効率的な選定方法とスケジュールについて解説します。

 

 電子カルテの選定にあたっては、どのように進めていけばよいのでしょうか。まず、検討開始時期ですが、一般的には開業の半年前と言われています。例えば、6カ月前から、インターネットや展示会などで情報収集を開始し、自らの要望に近いメーカーを絞り、5カ月前~4カ月前にデモンストレーションを受け、3カ月前には各社から提出された見積りを比較し、購入の意思決定をすることになります。

 

(1)情報収集

日々忙しい医師にとって、電子カルテを選定する際、いかに効率よく情報を集めるかは重要です。ただやみくもにインターネットで調べるだけでは、有効な情報にたどり着くには時間も手間もかかります。

そこで、どの情報ソースを活用するかを考えてみましょう。一般的に、現在医療機関で活用できる情報ソースは、①インターネットで調べる②展示会で調べる③先輩・友人に聞く、などがあります。各ソースの特性を十分に理解して、使い分けると良いでしょう。

 

  • インターネット:全体像を理解するには向いているが、情報はメーカー側が絞ったものであり、本質は分かりにくい。無料体験などがあれば、積極的に利用すればよい。しかしながら、設定が不十分な電子カルテを触っても実際とは異なるので、注意が必要。
  • 展示会:操作性を確認するには向いているが、コロナ禍で減少傾向。各社のブースに訪れ説明を受けるとともに、少し触らせてもらえれば、触ってみるとよいだろう。
  • 先輩・知人:導入後の対応を確認するには向いている。実際に使っている先輩、知人がいれば是非見学に行くと良いだろう。その際、医師の意見も重要だが、事務やクラークの意見も聞けると良いだろう。

 

(2)要望をまとめる

電子カルテを選定するには、ある程度の比較軸を決める必要があります。自らが描く診療スタイルにフィットするものを選ぶというシンプルな考え方です。シンプルであるがゆえに、ある程度直感に依存してもよいと思われます。一方、最低限、電子カルテに求める機能は決めておくと良いでしょう。それを考える際に、「システム範囲」と「必要な機能」をまとめておくとわかりやすい。 

 

(3)メーカー選定(1次選考)

情報が集まり、電子カルテに関する要望がまとまったところで、メーカーからデモンストレーションを受けるステージに進みます。デモンストレーションとは、メーカーから商品説明を実際のシステムを用いて行ってもらうものです。注意点としては、多くのメーカーからデモンストレーションを受けると、頭が混乱して分からなくなることが良くあります。できれば、3社~5社程度にあらかじめ絞っておくとよいでしょう。

 

(4)デモンストレーション

メーカーからデモンストレーションを受ける際に、各社同じ内容で比較した方が分かりやすいので、①実際のカルテを用意したり、②診療ワークフローを事前に提示したりして、同条件でデモンストレーションをお願いしてみてください。この準備を行っていただくことで、メーカーの対応力が分かります。つまり、要望を実現する、理解する力があるかが確認できるのです。

さらに、実際に自ら触れる機会をもってください。デモを行うスタッフの上手い下手で印象はかなり変わります。「デモンストレーションを受けたときはよく見えたのに、実際触ってみると違う」というギャップを埋めるために、「体験」してみることが重要なのです。

 最後に、質問も必ず用意しておいてください。デモを受けたメーカーに同じ質問を投げかけることが重要ですので、書面で用意しておくことが良いでしょう。回答できない場合は、メールなどで後日送ってもらう対応でもよいでしょう。メールの回答から、会社の誠実さやスピード感も分かることでしょう。

 

(5)見積比較

デモンストレーションが終了し、自らが良いと感じたメーカーには、その場で見積りを依頼してください。比較を行う際のポイントとしては「同一条件」で行うことです。同一条件とは、同じ端末数で使用した場合の価格を提示してもらうことです。また、見積書は大抵、初期費用は合計額、保守費用は月額と表示がバラバラですから、必ず月額にかかるコストに置き換えて考えるとよいでしょう。

さらに、各社の見積りがそろってきたら、それに基づき価格交渉を行います。価格交渉は、購入者と販売者の駆け引きですが、あまりに強い値引き要求は、導入後のサポートにも影響しますので、相互に合意形成を図りながら、適正な価格で購入することをお勧めします。事前に、先輩や友人にも購入時の見積りを見せてもらい、相場感をもって交渉すると良いでしょう。

 

(6)意思決定(最終選考)

価格交渉が進み、メーカーが絞り込まれましたら、メーカーを決定します。少なくとも稼働予定日の3か月前には行ってください。メーカーと発注書や契約書を取り交わす際に、最終確認として、「端末数は適正か」「サポート内容は十分か」「5年後の更新時の対応について契約に盛り込まれているか」「契約内容に不利はないか」「新たに費用が突然増えたりしないか」といった事項について、十分な打ち合わせを行ってください。決定の際に、導入や研修を担当するインストラクターには、必ずお会いして、「導入・研修スケジュール」を提示してもらってください。