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コラムNo.4 免許返納

2022.07.19

自動車運転免許

最近は、高齢者の自動車事故が増加していることもあり、自動車運転免許(以下、運転免許)の自主返納が話題となっている。運転免許は、ご存じの通り国家資格であり、道路交通法が適用される道路で、免許を受けていない者は自動車を「運転してはならない乗り物」とされている(道路交通法第64条、無免許運転の禁止)ため、運転免許を受けた者は「特別に運転することを許された者」ということである。
高齢になり、その運転免許を返納する…ということは、地方生活者にとっては、貴重な足を失くし、生活を脅かすことになるため、その決断は勇気が必要となる。

薬剤師免許

 薬剤師免許は、いうまでもなく国家資格である。
また、これは生きている限り使える生涯免許であるが、実際、この資格を生涯利用している薬剤師はどの程度いるのであろうか?
厚生労働省では、医師法、歯科医師法、薬剤師法に基づき、2年ごとに、12月31日現在における氏名、住所等について保健所に届け出たものの統計を開示している(医師・歯科医師・薬剤師統計)。
直近(令和2年)の調査では、全総数321,982人中、70歳以上の薬剤師は約6%(18,582人)である。
また、開設者を除く薬局勤務者は、全総数171,630人中、70歳以上の薬剤師は約4%(6,824人)である。70歳以上の内訳は、70-74歳が4467人、75-79歳が1448人、80-84歳が588人、85歳以上歳が321人である。
業務の内容や高齢化の状況は、個々の薬剤師や、環境で違いはあるであろう。
加えて、高齢になり、リタイアする時期をどう選択するか、特にオーナー開設者にとっ

ては、後継者がいなければ自身の健康や高齢化の課題は自身だけの話ではなく、地域の方々や患者さんにとっては大きな問題となることもありえる。
しかしながら、高齢を迎えた薬剤師が「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する」ことができるかどうかは、薬剤師自身の問題ではなく、今後の課題として注視しておく必要があるだろう。
 いずれにせよ、高齢化にあたり、リタイアの時期を自分で決めることができる薬剤師は、どの時点でリタイアするかを意識しつつ業務を行う必要があるだろう。