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令和6年度調剤報酬改定からこれからの薬局づくりを考える 第2回「短冊から調剤報酬改定のポイントを考える」

2024.02.05

令和6年度診療報酬改定に向けた短冊が1月26日に発表されました、具体的な点数などは今後の答申の発表を待つ必要がありますが、いくつかのポイントが見えてきました。すべてを記載することはできませんので、ここでは多くの薬局にかかわる調剤基本料、地域支援体制加算についてお伝えします。

調剤基本料については「賃上改定」と言われているため、全区分の報酬が見直しになります。「●点」となっていますが、プラス1点程度の増点が予想されます。基本料区分については大きな変更がなく、「効率のよい経営」という観点から基本料2に対する「受付回数4000回、集中率7割」という要件を見直し「受付回数4000回、集中率7割」(受付回数が多い上位●の医療機関に係る処方箋の割合)と医療モールなどをイメージした要件へ変更しています。

敷地内薬局(特別調剤基本料)に関する点数の増減はわかりませんが、「7種類以上の内服薬を調剤する場合の薬剤料の減算」、敷地内薬局を有する医療機関の「処方箋料の減算」が新たに設定されています。

基本料に大きな変化がなかったように思われますが、基本料の加算である「連携強化加算」の見直しが行われ、要件から「地域支援体制加算の届出」が削除されています。そのほか、医療情報・システム基盤整備体制充実加算が「医療情報取得加算」に見直され、算定要件・点数が変更となります。また、新たに「医療DX推進体制整備加算」が新設になります。基本料自体は賃上げに対応する増点のみですが、各種加算を満たすことで更なる増点に繋がるのが今回の改定の特徴といえます。これにより、毎改定ごとに2点増点となっていた服薬管理指導料の点数が現状維持となっています。

地域支援体制加算の変更点を見ていきます。加算1と2の内容を確認します。求められる実績要件に軽微な変更があります。(加算3以降は項目の変更なし)

  1. 時間外・夜間休日加算の算定実績  40回
  2. 麻薬調剤に対する調剤加算     1回
  3. 重複投薬相互作用等防止加算等   20回
  4. かかりつけ薬剤師指導料(管理料) 20回
  5. 外来服薬支援料          1回
  6. 服用薬剤調整支援料        1回
  7. 単一建物診療患者1人の在宅    24回
  8. 服薬情報等提供料     30回
  9. 小児特定加算       1回
  10. 地域多職種連携会議    1回

※⑩以外は1万回あたりの回数

加算1は「3項目」、加算2は「8項目」の実績要件が求められます。従来の加算から一気にハードルが上がったように感じますが、求められる算定回数が従来の回数から引き下げられている項目がありますので一概に高いハードルかというと薬局によって判断が分かれそうです。

今後の情報で注目すべき点は、施設要件の「地域医療に関連する取り組みの実施」に含まれる「要指導医薬品及び一般用医薬品の販売」です。説明文に「単に最低限の品目を有していればいいものではなく、健康サポート薬局の届け出要件とされている『48薬効群』の品目を取り扱うこと。」と記載されています。健康サポート同様の取り揃えが必要なのか、その中から商品を●品選定すればいいのか、皆さんはどう読み取るでしょうか。

そのほか、地域連携薬局をくみ取った要件(新設報酬)や、在宅医療への取り組みに対し多くのプラス評価が行われています。やや文面ではわかりづらい部分もありますが、資料を整理し取り組むべき課題を見つけていく必要があります。


本記事は1月26日(金)15時時点の情報となります。

また元資料のリンクはこちらでございます。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197890.pdf


筆者:駒形公大(株式会社Kaeマネジメント 代表取締役 / 2025年戦略推進本部長)