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BIツールを活用した調剤報酬改定への備え

2024.02.27

令和6年度調剤報酬改定に向けて、214日に点数入りの短冊が発表されました[1]。毎回の調剤報酬改定の度に薬局の経営者の皆様は、自社の影響を算出するために多くの時間と労力を割かれているかと思います。

今回は令和4年度の調剤報酬改定でも活躍した、BIツールを活用した調剤報酬改定への対応についてご紹介をします。(本記事では、弊社が提供するサービス「EM分析サポート」、「MAPs オプション BunseQI(ブンセキ)(以下、「BunseQI」と記載)に関する内容が含まれます。」

BIとはBusiness Intelligence (ビジネスインテリジェンス)の略で、ビジネスにおけるデータの分析や活用のことを指し、BIツールはデータ分析をサポートしてくれるツールになります。

調剤報酬改定が行われるタイミングで薬局経営者の皆様はまず、短冊で発表された内容を理解し、調剤報酬点数がどのように変更されるかを確認します。さらに、その点数をもとに、自社の薬局での影響について計算を行い、その結果に対して、自社の薬局でどのような対策を行なっていくかということを検討する必要があります。

調剤報酬改定が発表されると調剤報酬が改定されるまでに以下のような準備を行われることになります。

  1. 調剤報酬改定の内容確認と要旨の理解
  2. 調剤報酬改定の影響を自社の薬局に合わせてシミュレーション
  3. シミュレーション結果に対して施策を検討
  4. 3で検討した施策を実施した場合のシミュレーション(34を繰り返す)
  5. 施策の実行

最も重要なポイントは「施策を実行」することになるわけですが、実際には薬局運営に関わる業務は多く、それに加えて、調剤報酬改定の内容確認とシミュレーションを行う必要があり、その点が不足してしまうと本来であれば、診療報酬改定施工後に取れていたはずの点数が取れなかったという事態が発生してしまいます。

そこで、活躍するのがBIツールになります。BIツールはレセプトデータを取り込むことで、データの分析をサポートしてくれるツールのため、調剤報酬改定の影響をシミュレーションするために活用可能です。ただ、BIツールを設定するためには、それなりの経験と準備が必要となるため、今回はBunseQIについて説明をします。

BunseQIは薬局向けのBIツールとなっており、薬局が分析に必要な分析手法を取り揃えています。また、BunseQIは弊社調剤システムであるMAPsシリーズやRecepty NEXTと自動的にデータ連携をするため、事前準備なしで、分析をスタートすることが可能です。BunseQIは多機能な分析ツールですが、今回は調剤報酬改定に絞った内容でご説明します。

BunseQI上では、調剤報酬改定のシミュレーションに特化した分析シートが準備されており、調剤報酬改定の影響分析、自社の薬局の状況に応じたシミュレーションが可能となっています。

調剤報酬改定の影響分析では、画面上に準備されている「短冊」ボタンをクリックすると、過去の自社の薬局のデータから自動的に調剤報酬改定の影響を反映し、影響額を見ることがワンクリックで可能になっています。

<BunseQI:報酬改定シミュレーション画面①>

また、画面の下部からは個別の事情に応じてさらに詳細なシミュレーション、つまり新設あるいは変更が加えられた加算項目について、BunseQIでは自動的に過去のデータを元に加算の算定を設定されますが、現在の状況や将来の状況に応じて、店舗ごとに加算の状況を設定することができ、調剤基本料の設定や後発医薬品体制加算、地域支援体制加算などを細かく、より自社にあった分析・シミュレーションが可能です。分析結果は、ブックマークから保存することができ、「こうしたらどうなるか?」といった様々なパターンを分析することができます。

<BunseQI:報酬改定シミュレーション画面②>

調剤報酬改定に対するアクションプランの策定についてですが、前回の調剤報酬改定では、地域支援体制加算1,2,3が新設されたため、地域支援体制加算の施設要件の8項目が現在どの程度実行できており、後どの項目を達成するかといったシミュレーションに利用されました。

他にもご紹介したい機能はたくさんありますが、実際の画面を見て体験していただくと利用シーンが具体的になります。

繰り返しにはなりますが、調剤報酬改定を迎えて、最も重要なポイントは、調剤報酬改定に合わせた施策を検討し、実行することで、分析やシミュレーションにかかる時間や労力を極小化し、施策の検討と実行に時間と労力を注ぎ込んでいただくことだと考えます。

また、今回の調剤報酬改定については221日から短冊機能が利用可能となっております。点数入りの短冊が公表されてから、約1週間で分析が利用できるようになることも薬局経営をより効率的に行なっていただくためです。

BIツールである、BunseQIを活用した令和6年度の調剤報酬改定の影響については、今後更新予定です。次回の記事をお待ちください。

BunseQIの問い合わせについては、以下のリンクからご確認ください。

 https://service.emsystems.co.jp/maps_series/for_pharmacy_bunseqi/

 2024年222日 作成:株式会社EMシステムズ

[1] 令和6214日 中央社会保険医療協議会 総会(第 584 回) 個別改定項目について

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001210970.pdf