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電子カルテ運用のポイント ~⑱生活習慣病管理料~
2024.03.08
3月5日、厚生労働省より、2024年診療報酬改定についての告示が発出されました。 本稿では、多くの医療機関様において運用が変更になります「生活習慣病管理料の見直し」を取り上げます。
かかりつけ医機能の評価を体系的に整理し、生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する為、「生活習慣病管理料」の要件及び評価と「特定疾患療養管理料」の対象疾患が見直しされます。 脂質異常症・高血圧・糖尿病として特定疾患療養管理料を算定している場合、対象疾患ではなくなる為、6月から多くの医療機関様では生活習慣病管理料を算定することになります。
(本稿は3月5日時点の告示に基づき作成しております。今後、疑義解釈が発出されることがありますので併せてご参照ください。)
改定における生活習慣病管理料の変更点を図表にまとめましたので、ご覧下さい。 変更点は、青字と赤字で記載しています。
【目次】
- Point1: 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
- Point2: 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)に共通の包括項目について
- Point3: 算定の主な留意点
- Point4: 月1回以上の総合的な治療管理が廃止されましたが、療養計画書は概ね4月に1回以上は交付が必要
- Point5:カルテ記載と添付
●Point1: 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
(Ⅰ) →検査,注射,病理診断が包括
(Ⅱ) →出来高算定 また(Ⅱ)は、疾患による点数区分がありません。
●Point2: 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)に共通の包括項目について
①包括項目の追加
外来管理加算,特定疾患処方管理加算(処方料・処方箋料の)が包括され、算定できません。
②包括項目 医学管理等のうちの例外
第2章第1部医学管理等は包括項目ですが、包括例外の項目が図表赤枠の5つになります。
さらに生活習慣病管理料(Ⅱ)は5つに加え、赤枠横の11項目が包括の例外です。
1.外来栄養食事指導料 2.集団栄養食事指導料 3.ニコチン依存症管理料
4.療養・就労両立支援指導料 5.プログラム医療機器等指導管理料
6.診療情報提供料(Ⅰ) 7.電子的診療情報評価料 8.診療情報提供料(Ⅱ)
9.診療情報連携共有料 10.連携強化診療情報提供料 11.薬剤情報提供料
特定疾患療養管理料を6月から生活習慣病管理料Ⅱに変更する場合の算定
(地域包括診療加算1を届出ている医療機関の例)
2024年5月まで
再診料 73点 + 外来管理加算 52点 + 地域包括診療加算1(届出) 25点
特定疾患療養管理料 225点
処方箋料3 68点 +特定疾患処方管理加算2 66点
↓
2024年6月から
再診料 75点 + 地域包括診療加算1(届出) 28点
生活習慣病管理料Ⅱ 333点
処方箋料3 60点
●Point3: 算定の主な留意点(以下①②④は、生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)共通)
①同一保険医療機関で、生活習慣病管理料を算定する患者さんと算定しない患者さんの混在が認められます。
②初診月は算定できません。
初診日から1月経っていなくても次月になった場合は算定できます。
この点は、特定疾患療養管理料と異なります。
③生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定月から6月以内は、生活習慣病管理料(Ⅱ)は、算定できません。
④院内の見やすい場所に掲示が必要です。
28日以上の長期投薬やリフィル処方箋の交付が可能であることを院内に掲示する必要があります。
●Point4: 月1回以上の総合的な治療管理が廃止されましたが
療養計画書は概ね4月に1回以上は交付が必要
丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、療養計画書に患者の署名が必要です。
血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合は、血液検査項目の記載は不要です。
●Point5:カルテ記載と添付
交付した療養計画書の写しを診療録に添付する
電子カルテ情報共有サービスを利用する場合
患者サマリーに療養計画書の記載事項を入力し、診療録にその旨と同意を得た旨を記載する
→電子カルテ情報共有サービスとカルテ記載により、療養計画書の作成及び交付とみなされます
→患者さんの求めに応じ、上記の旨を診療録に記載する場合、療養計画書の血液検査項目の記載は必要ありません。
(参考)電子カルテ情報共有サービスとは
2025年運用開始予定で、提供されるサービスは以下です。
①文書情報 ※1を医療機関等が電子上で送受信できるサービス、②全国の医療機関等で患者の電子カルテ情報(6情報 ※2)を閲覧できるサービス、
③本人等が、自身の電子カルテ情報(6情報)を閲覧・活用できるサービス
※1 健康診断結果報告書,診療情報提供書,退院時サマリ
※2 傷病名,アレルギー,感染症,薬剤禁忌,検査(救急,生活習慣病),処方(処方は文書抽出)
2025年4月より、かかりつけ医機能報告 ※3が施行されます。
また、※3について都道府県知事の確認を受けた医療機関は、慢性疾患を有する高齢者に在宅医療やその他外来医療において説明が特に必要な場合や患者や家族が希望する場合、疾患名や治療計画等を電磁的方法又は書面交付により説明する努力が義務となります。
今後のかかりつけ医機能の制度とスケジュールに注目しながらご準備頂けますと幸いです。
※3 各医療機関から都道府県知事にかかりつけ医機能(①日常的な診療の総合的・継続的実施、②在宅医療の提供、③介護サービス等との連携など)報告。都道府県知事が地域に公表。
情報提供元:株式会社ウォームハーツ
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