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令和5年度福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金について

2024.03.21

 

令和6年2月から5月までの間、福祉・介護職員の賃金を2%程度(月額平均6千円相当)引き上げるための措置を行うとのことが発表されました。

計画書提出は4月頃と想定される中、令和62月から5月までの間の補助金のため、支給に向けた準備に悩んでいる事業者も多いと想像されます。

今回の臨時特例交付金では、前年同時期と比較し、賃金改善の対象とした職員の平均的な賃金水準を低下させてはならず、令和6年6月以降において賃金改善の水準を維持することが決められています。つまり令和66月からの処遇改善加算一本化の対応も想定した賃金改善対応が必要となりそうです。

今回は、福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金について、お伝えしていきます。

 

この交付金は、福祉・介護職員の人材確保という課題に対応するため、賃上げに必要な財政措置を早急に講じる観点から、令和6年2月から5月までの間、福祉・介護職員の賃金を2%程度(月額平均6千円相当)引き上げるための措置を実施することが目的です。

※交付額は下記の計算で決められます。

令和6年2月から5月の各月において、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を算定しており、かつ「賃金改善等の要件」を満たすことが要件になりました。

※ただし、ベースアップ等支援加算の算定に必要な準備・届出等が間に合わない場合に限り、令和6年2・3月はベースアップ等支援加算を算定していなくても、令和6年4月からベースアップ等加算を算定していれば、今回の交付金の対象とされます。

(交付金の補助率)

参考:厚生労働省 福祉・介護職員の処遇改善 令和6年2月 2 2 日
令和5年度福祉・介護職員処遇改善支援事業の実施について

なお、交付金の配布対象者は、福祉・介護職員で、ホームヘルパー、生活支援員、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、夜間支援従事者、共生型障害福祉サービス等事業所及び特定基準該当障害福祉サービス等事業所に従事する介護職員、就労定着支援員、地域生活支援員です。

(配布対象者の注意点)

就労定着支援員及び地域生活支援員は令和6年4月から対象

※各施設・事業所の人員基準において置くべきこととされている従業者の職種に限らず、上記の対象職種に該当する従業者は対象。

※各事業所の人員基準において置くべきこととされていない従業者において、利用者への直接的な支援を行うこととされ、その配置を報酬上の加算として評価されている以下の職員については対象。
 ① 就労継続支援A型の「賃金向上達成指導員」(賃金向上達成指導員配置加算)
 ② 就労継続支援B型の「目標工賃達成指導員」(目標工賃達成指導員配置加算)

地域相談支援及び計画相談支援は、対象外

 

賃金改善等の要件として、賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行うものとされています。

令和6年2月、3月の賃金改善は、就業規則等の改訂が間に合う場合、基本給等の引上げに努めることと定められています。しかし資金計画の変更に時間を要する等、やむを得ない事情がある場合は、令和6年2月分の賃金改善に限り、令和6年3月分と一括して行うこととしても差し支えないとされています。

一方で令和6年4月、5月の賃金改善は、令和6年6月以降の福祉・介護職員処遇改善加算等の制度の見直しによる加算率の引上げを見据え、賃金改善の方法はベースアップ(賃金表の改訂により基本給等の水準を一律に引き上げること)を基本になり、令和6年4月、5月分の交付額の3分の2以上の賃金改善を、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げを行わなければならないと定められています。

 

(その他注意する点)

  • 賃金改善方法の周知について、福祉・介護職員処遇改善計画書を用いて職員に周知すること。
    また就業規則等を改訂した場合には、その内容についても職員に周知すること。
  • 労働法規の遵守について福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の目的等を踏まえ、労働基準法等の労働法規を遵守すること。
  • 福祉・介護職員処遇改善計画書等の提出は、都道府県知事に提出する必要があり、各都道府県自治体により書式が変更とされる場合があるため、指定書式を使用しているか確認すること。
    また提出した書類は2年間保存が必要。
  • 令和6年2月分以降の報酬の額に誤りがあり、過誤調整を実施した場合は、当該過誤調整分を含むこと(令和6年1月サービス分以前の過誤調整分は含まない)。
    また、月遅れ請求等があった場合、当該請求に係る交付額の支給分を考慮する。その際、令和6年7月末日までに生じ、令和6年8月10日までに審査支払機関により受け付けられた過誤調整は、交付額に反映させること。
  • 交付金は、原則として、障害福祉サービス事業者等が各都道府県国民健康保険団体連合会に介護給付費等の振込先口座として登録している口座とされていること。
    民間事業者による報酬ファクタリングのサービスを利用し、介護給付費等の債権譲渡を行っている施設・事業所が交付対象施設・事業所に含まれる場合は、債権譲渡を行っていない施設・事業所の振込先口座又は都道府県に届け出た口座に支払(振込)が行われます。

 

令和6年4月からの報酬改定の準備も進めながら、交付金対応することは事業者にとって大きな負担です。しかし職員は交付されることを期待して待っている場合が予想されるため、交付金の準備を要件に注意しながら進めていただきたいと思います。

 

なお福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金等に関するお問い合わせ窓口が設置されているため、不明点は下記窓口まで問い合わせいただきたい。

福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金等 厚生労働省・こども家庭庁コールセンター
電話番号: 050-3733-0230 受付時間:9:0018:00(土日含む)


 

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筆者:日本クレアス税理士法人

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