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令和6年度診療報酬改定 疑義解釈②

2024.04.23

 4月12日に令和6年度診療報酬改定の「疑義解釈のその②」が通知されました。疑義解釈は、改定内容の不明点を医療機関から募り、それに対して解釈を明らかにするものです。今後、随時通知されていきます。
今回提示された疑義解釈の②の中から、クリニックに重要なものを選んで解説します。

【目次】

  1. 施設基準の届出
  2. 医療DX推進体制整備加算
  3. 医療情報取得加算
  4. 外来感染対策向上加算
  5. 発熱患者等対応加算


1.施設基準の届出

 診療報酬改定の施行時期は従来の4月から今回から6月に変更されています。そこで、6月診療分の施設基準の届出に係る届出期限については、「令和6年5月2日から6月3日まで地方厚生(支)局等において受け付けているところ、令和6年5月下旬以降に地方厚生(支)局等の窓口は届出が集中し、混雑が予想されることから、可能な限り令和6年5月17 日までの届出に努めること。ただし、令和6年6月診療分の施設基準の届出に係る電子申請は令和6年5月20 日から受付開始となるため、留意すること」としています。

 

2.医療DX推進体制整備加算

 今回新設された「医療DX推進体制整備加算」の施設基準において、「国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること」とされており、また、当該施設基準については令和7年9月30 日までの間は経過措置が設けられているが、電子カルテ情報共有サービスについて、届出時点で具体的な導入予定等が不明であっても、当該加算は算定可能という問いに対して、「経過措置が設けられている令和7年9月30 日までの間は、算定可能」としています。なお、電子カルテ情報共有サービスの導入等の具体については、当該サービスが実装可能となった時期に疑義解釈を改めて通知するとしています。

 また、同加算の施設基準において、「電子処方箋により処方箋を発行できる体制を有していることとされており、施設基準については、令和7年3月31 日までの間は経過措置が設けられているが、電子処方箋について、届出時点で未導入であっても、当該加算は算定可能か」という問いに対しては、「経過措置が設けられている令和7年3月31 日までの間は、算定可能」としています。なお、施設基準の様式で、導入予定時期を記載することとなっていますが、未定又は空欄であっても構わないとしています。

 さらに、電子処方箋により処方箋を発行できる体制について、経過措置期間終了後も電子処方箋を未導入であった場合の取扱いについては、「経過措置期間終了後は、当該加算の算定要件を満たさないものとして取り扱う」としています。

 

3.医療情報取得加算

 オンライン資格確認による医療情報取得にかかる点数である「医療情報取得加算」について、「医療情報取得加算1又は2を算定した月に、再診を行った場合について、算定できるか。また、医療情報取得加算1又は2について、医療情報取得加算3及び4を算定した月に、他の疾患で初診を行った場合について、算定できるか」という問いに対しては、「いずれも算定不可」としています。つまり、同月内は併算定ができないこととなります。

 また、「医療情報取得加算1及び2について、同一の保険医療機関において、同一月に、同一の患者について、他の疾患で初診料を2回算定した場合について、医療情報取得加算1又は2を2回算定できるか」という問いに対して、「算定不可」としています。同加算はいずれも月1回のみの算定となります。

 さらに、「医療情報取得加算3及び4について、それぞれ、3月に1回に限り所定点数に加算することとされているが、同加算3を算定する患者について、3月以内に同加算4は算定可能か。また、同加算4を算定する患者について、3月以内に同加算3は算定可能か」という問いに対しても、「いずれも算定不可。医療情報取得加算3又は医療情報取得加算4のいずれかを3月に1回に限り算定できる」としています。同月に併算定ができないことになります。

 

4.外来感染対策向上加算

 「外来感染対策向上加算」の施設基準において、「感染症法第38 条第2項の規定に基づき都道府県知事の指定を受けている第一種協定指定医療機関であること又は同項の規定に基づき都道府県知事の指定を受けている第二種協定指定医療機関であることが求められているが、協定指定医療機関の指定を受けた後、都道府県がホームページ上に当該医療機関を協力指定医療機関として掲載するまでの間も、届出は可能か」という問いに対しては、「協定指定医療機関の指定を受けた後であれば、届出可能」としています。

 また、外来感染対策向上加算の施設基準において、「保険医療機関の外来において、受診歴の有無に関わらず、発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者の受入れを行う旨を公表していることが求められているが、公表については、保険医療機関が公表を行う必要があるのか」という問いに対しては、「保険医療機関のホームページにより公表することが想定されるが、例えば、自治体、地域医師会等のホームページ又は広報誌に掲載されている場合等においては、別に保険医療機関のホームページで公表を行う必要はない」としています。

 

5.発熱患者等対応加算

 今回新設された「発熱患者等対応加算」について、「発熱、呼吸器症状、発しん、消化器症状又は神経症状その他感染症を疑わせるような症状を有する患者に空間的・時間的分離を含む適切な感染対策の下で診療を行った場合に算定するとあるが、情報通信機器を用いた診療の場合でも算定できるのか」という問いに対しては、「算定不可」としています。

 

筆者:株式会社EMシステムズ EM-AVALON事務局