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令和6年4月減算開始!指定更新時も確認! 障害福祉サービスの全サービス対象! ~情報公表未報告の事業所への対応~まとめ
2024.05.27
令和6年4月に障害福祉サービス等報酬改定が行われ、全サービス対象の改定項目ができました。
その中でも今回は、障害福祉サービス等情報公表制度を未報告の場合には、減算する制度・指定更新時に情報公表を確認する制度についてお伝えします。
【目次】
1.令和6年4月の障害福祉サービス等報酬改定における“情報公表未報告の事業所への対応”
≪具体的対応≫
障害者総合支援法第76条の3の規定(※2)に基づく情報公表に係る報告がされていない場合、所定単位数を減算する。
〇 所定単位数の10%を減算
(対象サービス:療養介護、施設入所支援(施設入所支援のほか、障害者 支援施設が行う各サービスを含む)、共同生活援助、宿泊型自立訓練、 障害児入所施設)
〇 所定単位数の5%を減算
(対象サービス:居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、短期入所、生活介護、自立生活援助、自立訓練(宿泊 型自立訓練を除く。)、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、就労選択支援、計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援、障害児相談 支援、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、 保育所等訪問支援(障害者支援施設が行う各サービスを除く))
≪具体的対応≫
都道府県知事等は、指定障害福祉サービス事業者等の指定の更新に係る申請があったときは、当該申請に係る事業者から障害者総合支援法第76条の3の規定に基づく情報公表に係る報告がされていることを確認するものとする。
(※1)障害福祉サービス等情報公表制度とは
障害福祉サービスなどの情報を公開し、利用者や関係者がアクセスできるようにする制度です。この制度は、障害者やその家族、関係機関などが必要な情報にアクセスしやすくすることで、サービスの利用や運営の透明性を確保し、サービスの質を向上させることを目的として、平成30年4月に施行されました。
(※2)障害者総合支援法第76条の3の規定とは
第七十六条の三 指定障害福祉サービス事業者、指定一般相談支援事業者及び指定特定相談支援事業者並びに指定障害者支援施設等の設置者(以下この条において「対象事業者」という。)は、指定障害福祉サービス等、指定地域相談支援又は指定計画相談支援(以下この条において「情報公表対象サービス等」という。)の提供を開始しようとするとき、その他主務省令で定めるときは、主務省令で定めるところにより、情報公表対象サービス等情報(その提供する情報公表対象サービス等の内容及び情報公表対象サービス等を提供する事業者又は施設の運営状況に関する情報であって、情報公表対象サービス等を利用し、又は利用しようとする障害者等が適切かつ円滑に当該情報公表対象サービス等を利用する機会を確保するために公表されることが適当なものとして主務省令で定めるものをいう。第八項において同じ。)を、当該情報公表対象サービス等を提供する事業所又は施設の所在地を管轄する都道府県知事に報告しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けた後、主務省令で定めるところにより、当該報告の内容を公表しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による公表を行うため必要があると認めるときは、第一項の規定による報告が真正であることを確認するのに必要な限度において、当該報告をした対象事業者に対し、当該報告の内容について、調査を行うことができる。
4 都道府県知事は、対象事業者が第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は前項の規定による調査を受けず、若しくは調査を妨げたときは、期間を定めて、当該対象事業者に対し、その報告を行い、若しくはその報告の内容を是正し、又はその調査を受けることを命ずることができる。
5 都道府県知事は、指定特定相談支援事業者に対して前項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨をその指定をした市町村長に通知しなければならない。
6 都道府県知事は、指定障害福祉サービス事業者若しくは指定一般相談支援事業者又は指定障害者支援施設の設置者が第四項の規定による命令に従わないときは、当該指定障害福祉サービス事業者、指定一般相談支援事業者又は指定障害者支援施設の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
7 都道府県知事は、指定特定相談支援事業者が第四項の規定による命令に従わない場合において、当該指定特定相談支援事業者の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することが適当であると認めるときは、理由を付して、その旨をその指定をした市町村長に通知しなければならない。
8 都道府県知事は、情報公表対象サービス等を利用し、又は利用しようとする障害者等が適切かつ円滑に当該情報公表対象サービス等を利用する機会の確保に資するため、情報公表対象サービス等の質及び情報公表対象サービス等に従事する従業者に関する情報(情報公表対象サービス等情報に該当するものを除く。)であって主務省令で定めるものの提供を希望する対象事業者から提供を受けた当該情報について、公表を行うよう配慮するものとする。
2.減算にならないようにするためのポイント
①基本情報の登録と事業所の詳細情報を入力
事業者が報告を行うためには、情報公表システム(WAM NET)に法人及び事業所の基本情報の登録が必要です。
都道府県等において基本情報の登録が完了すると、登録した情報公表用法人メールアドレス宛てにメールが届きます。法人情報が初めて登録された場合は、システムへのログインIDとパスワードが通知されます。
その後、障害福祉サービス等情報公表システム(WAM NET)へログインし事業所の詳細情報の登録を行います。
事業者が入力した情報を都道府県等が受理後、内容確認され、問題がない場合に情報が公表されます。
参考:令和6年度大阪市障がい福祉サービス等情報公表事務に関する実施要領
②指定された期限内に情報の公表
〇新たに指定障がい福祉サービスを基準日以降に提供する場合
〇既に指定障がい福祉サービスを基準日より前に提供している場合
※各都道府県等で定められている要領があるため、要領にそって対応してください。
③基本情報と事業所の詳細情報の更新
④関連通知の別添(※3)に掲げる必須の報告項目の情報を公表
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1の問19に、情報公表未報告減算に関する内容が記載されています。このQ&Aの内容では、関連通知の別添(※3)に掲げる必須の報告項目が報告されているか確認するとされているため、別添に掲げる必須の報告項目の情報アップが基本的にはすべて公表が必要です。
Q&A VOL.1に記載されている内容は下記です。
問19 情報公表未報告減算の適用要件について、留意事項通知では「・・・ 報告を行っていない事実が生じた場合に、その月の翌月から報告を行っ ていない状況が解消されるに至った月まで・・・(中略)・・・減算する こととする」とあるが、「報告を行っていない事実が生じた場合」とは、 どのような場合を想定しているのか。
(答)
「報告を行っていない事実が生じた場合」とは、情報公表対象サービス等情報に係る報告を行っていないことが、都道府県等・事業所において確認された場合に、未報告の時点に遡って減算の対象とすることを想定している。
具体的には、関連通知の別添(※3)に掲げる必須の報告項目について未報告であることが、指定更新や運営指導等の際に確認され、都道府県等が報告するよう指導したにも関わらず、事業所が報告を行わない場合に減算を適用することとする。
(※3)別添に掲げる必須の項目
障害者総合法第 76 条の3第1項及び児福法第 33 条の 18 第1項の規定に基づき、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 施行規則(平成 18 年厚生労働令第 19 号。以下「障害者総合支援法施行規 則」という。)の別表第1号及び別表第2号並びに児童福祉法施行規則(昭 和 23 年厚生省令第 11 号。以下「児福則」という。)の別表第2及び別表 第3に掲げる項目に関する具体的内容は、それぞれ、別添1基本情報及び 別添2運営情報のとおりとする。
参考:障害福祉サービス等情報公表制度の施行について(厚生労働省)
今回、情報公表未報告に関することをお伝えしました。
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1で、運営指導や指定更新の際に情報公表が未報告かどうか確認するとのことでした。
都道府県知事等が任意で設定できる情報などがあるため、報告前には各都道府県知事等からの要領を確認した上で対応することが必要です。
また現在未報告の場合には、まずは入力しやすい情報から報告対応していくことが望ましいです。
※本記事は、令和6年5月10日段階の情報です。
参考通知:
障害福祉サービス等情報公表制度の施行について(障障発0423第1号)
令和6年度大阪市障がい福祉サービス等情報公表事務に関する実施要領
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日)