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電子カルテ運用のポイント ~㉓外来管理加算~NEW
2025.01.08
2024年改定において、かかりつけ医機能に係る診療報酬の評価が見直されました。
外来管理加算についても併算定の項目が見直されています。
また、外来管理加算については、2023年に中医協でも廃止と継続の議論がなされましたが、診療所にとって非常に影響のある項目と存じます。
本稿では、診療所からご質問が増えている「外来管理加算」の運用の留意点とカルテやレセプト記載についてお伝えさせていただきます。
【目次】
- Point1: 対象患者
- Point2: 医学管理料との併算定
- Point3:処置料を算定できない項目での算定
- Point4:検査のみ来院の指示日は、算定不可
- Point5:カルテ記載
- Point6: その他留意点 厚労省 保険診療確認事項リスト 令和6年度改定版
1.Point1: 対象患者
外来で再診の患者
慢性疼痛疾患管理、厚生労働大臣が定める検査*1、
リハビリ、精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療を行わず、計画的な医学管理を行った場合に算定。
厚生労働大臣が定める検査*1
超音波検査等、脳波検査等、神経・筋検査、
耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、
ラジオアイソトープを用いた諸検査、内視鏡検査
2.Point2: 医学管理料との併算定
併算定不可の項目:
慢性疼痛疾患管理料,生活習慣病管理料(Ⅰ),(Ⅱ) ※(生活習慣病管理料は、2024年6月より算定不可)
※例外 生活習慣病管理料(Ⅰ),(Ⅱ)の算定日と別日に、診療を行った場合は、要件を満たせば算定できる
(2024年3月28日 疑義解釈その1 問133)
上記以外の医学管理料と併算定できる。
よって、特定疾患療養管理料と併算定できる。
3.Point3:処置料を算定できない項目での算定
基本診療料に含まれる処置*2は、処置料を算定できませんが、外来管理加算を算定できます。
また、処置に使用した薬剤料を算定できます。
(単なる浣腸又は座薬挿入時のキシロカインゼリーの算定は、認められません。)
*2
浣腸、注腸、吸入、100㎠未満の第1度熱傷の熱傷処置、
100㎠未満の皮膚科軟膏処置、洗眼、点眼、点耳、簡単な耳垢栓除去、鼻洗浄、
狭い範囲の湿布処置その他第1節処置料に掲げられていない処置であって簡単なもの(簡単な物理療法を含む。)
4.Point4:検査のみ来院の指示日は、算定不可
【検査での来院】
- 検査のみの来院前に、検査のみ来院を指示した日は、検査日と一連と考えられる為、算定できない。
- 検査のみの来院は、再診料も外来管理加算も算定できない。
- 検査結果のみを聞きに来た場合は、再診料も外来管理加算も算定できない。
レセプト摘要欄の記載 820100001ア 初診又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来院 |
【複数科受診 一方で処置等実施】
複数科を標榜する保険医療機関で、2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科において外来管理加算は算定できない。
⇒ 両方算定できない。
【同日再診】
同日再診(一度受診後、症状を訴え受診したような場合)で、再診料を同日2回算定しうる場合は、要件を満たせば、外来管理加算も算定できる。
⇒ 2回とも算定できる。
※電話再診は算定できない。
5.Point5:カルテ記載
患者からの聴取事項
診察所見の要点 を記載する。
⇒問診内容、詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)によって得られた所見、療養上の注意等の指導内容、診療行為
厚労省 保険診療確認事項リストでも次のような指摘がされています。
□患者からの聴取事項や診察所見の要点について
診療録への記載が[ ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。
6.Point6: その他留意点 厚労省 保険診療確認事項リスト 令和6年度改定版
(請求の誤りが起きやすく、個別指導の指摘の機会が比較的多い事項)
https://www.mhlw.go.jp/content/001348830.pdf
□患者本人が受診せず、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合であるにもかかわらず算定している。
□問診と身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)が行われていない。
⇒多忙等を理由に、簡単な症状確認のみでは、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。
□処置、リハビリテーション等を行っているにもかかわらず算定している。
□計画的な医学管理を行わず算定している。
□電話等再診時に算定している。
□対診時に外来管理加算を算定している。
以上のように、算定要件を満たさずに算定した場合、返還の対象となりますので、カルテ記載に留意することが必要です。
また、外来感染対策向上加算については、2024年3月31日時点で算定している医療機関は、2025年1月以降も算定する場合、医療措置協定の締結と厚生局に施設基準の届出が必要なため、ご留意下さい。