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開業準備スケジュール(4)

2021.12.28

開業スケジュールのうち、今回は「医療システムの選定」について解説します。デジタル社会が進む中、クリニックにおいて医療システムの役割は年々大きくなっています。また、様々な電子カルテにつながる周辺システムが出てきており、複雑になってきていますので詳しく考えていきます。

 

医療システムの選定(6カ月前~3カ月前)

医療機器の選定が進み、その後半あたりから、「医療システム」の選定が始まります。事業計画を作成する際に、医療システム投資の総額は大抵決まっており、その時点でおぼろげにはイメージがあると思いますが、それを明確に固めていくことになります。

医療システムの選定の流れは、(1)システム化の範囲を決める(2)情報を集める(3)デモを受ける(4)見積書を比較する(5)全体調整を行うーという流れになります。それぞれのプロセスの注意点を説明していきます。

 

(1)システム化の範囲を決める

基幹システムである、電子カルテとレセコンをベースに、周辺システムの範囲を考えていきます。周辺システムは、PACS(画像ファイリング)・検査管理システムなど、医療機器との連携するシステム。予約システムやWeb問診、オンライン診療などマーケティングに関するシステム。自動精算機・セルフレジ・キャッシュレス、オンライン資格確認など、生産性向上に関するからシステムに分かれます。自らの特性(目指す方向性)に合わせて、範囲を決定します。注意点としては、開業時に必ずしもすべて必要ではなく、開業後の導入でも問題ないものもありますので、システム化の範囲を広げ過ぎて、過剰投資にならないように注意してください。

 

(2)情報を集める

 範囲が決まったら、インターネットや医薬品卸、開業コンサルタントなどを通して、該当するシステムの資料をできるだけ集めましょう。コロナ禍では展示会などが軒並み、オンラインになっていますから、オンラインで情報集めが重要になっています。この際、いきなり見積りを取るのはお勧めしません。条件によって価格は大きく異なるため、いきなり見積りをとっても参考程度にしかならないためです。また、基本的には誰もが開業は初めての経験ですから、システム化の全体像が湧きにくいので、先輩・友人のクリニックに行って見学・ヒアリングするのも良いでしょう。

 

(3)デモを受ける

情報収集をすると、機能面はある程度分かりますが、実際の操作性や機能の詳細は分かりません。そのため、ある程度数を絞って、メーカーからデモンストレーションを受けることになります。デモを受ける際に、あらかじめ質問書を用意し、疑問点を明確にする他、実際に触ってみることも併せて行ってください。デモを受けると、どれも良さそうに見えますが、実際に触ってみると異なる印象を持つことも多くあります。コロナ禍で、「オンラインデモ」が主流になる中で、この触る機会を省いてしまう方もいるかもしれませんが、一度も触らず買って後で後悔しては困りますし、なかなか買い替えも難しいので、メーカーにしっかりシステムを触りたい旨を伝えましょう。

 

(4)見積書を比較する

デモを受け、良いと思ったメーカーから見積書をもらいますが、見積書はメーカー同士の比較をスムーズにするため、同一条件での作成を依頼してください。条件によって価格が異なるため、まずは基本的構成(端末台数、ハード込か否か、連携する周辺システムなど)を伝え、見積りが出てから再度調整していきましょう。

各社から「見積書」が集まったら、同条件で比較表を作成し、それに基づきシステム化に関する全体の予算と比べて、価格調整が必要かを確認します。あくまで一回目の見積りは参考にとどめ、そこから調整していくということが大切です。また、価格交渉は、時間をかければ良いというものではありません。1カ月を目安に期間を決めて集中的に行うことをお勧めします。

 

(5)全体調整を行う

 それぞれのカテゴリー(基幹システム、マーケティング、生産性向上)で、意中のメーカーが決まったならば、メーカー間で「運用」の打ち合わせを行います。必ず、基幹システムから周辺システムの流れで選定を進めてください。すべての周辺システムは、基幹システムである電子カルテ(レセコン)との連携が必要になるためです。したがって、この時点で連携ができない、連携に時間を要するということになっては、選定が白紙に戻ってしまいます。必ず導入するメーカーを一堂に集め、すり合わせをする機会を設けてください。