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【シリーズ】薬局現場のマネジメント②インシデントが起こったら?チームで防ぐ薬局運営

2021.12.27

さまざまな医薬品を扱う薬局業務では、思わずヒヤッとする出来事が起こることも。そんな時に正しい対応をとると、さらなるインシデントや調剤過誤の防止に繋がります。

今回は、インシデント発生後の対応や予防についてご紹介していきます。

■インシデントとは

インシデントとは、未然の対応で結果的に健康被害を及ぼさなかったものや、ミスはあったが特に影響がなかったもののこと。また、インシデントの中でも「ヒヤリとしたもの、ハッとしたもの」を「ヒヤリ・ハット」と言います。

  



「ハインリッヒの法則」では、 1つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300のヒヤリ・ハットが存在すると言われています。

インシデントが起こった際に正しい対応を行うことが、重大事故防止に繋がるのです。

■薬局がすべき、インシデント発生後の対応

インシデントが起きた際、具体的にどんな対応を行うと良いのでしょうか。ここでは、薬局で行うべき対応についてご紹介します。

◎インシデントレポートで繰り返しを防ぐ

「インシデントレポート」を作成し、些細なミスをまとめておきましょう。どんなミスが起こりやすいのかを把握し改善することで、繰り返し防止に繋がります。また、ミスをした本人だけでなく、他薬局スタッフも注意すべき点がないか確認を行いましょう。

◎インシデントへの薬局スタッフの意識共有

インシデントが起きた際、「私じゃないから関係ない」と考えたことはありませんか?

インシデントが起きた背景には、不注意だけでなく「デスクが整頓されていない」「疲労が溜まっている」「指示書が分かりにくい」などが考えられます。薬局スタッフ一人ひとりが自分ごととして捉えることで、迅速な改善策の実行に繋がるのです。

■インシデント発生を防ぐために

インシデントを防ぐためには、どんな方法があるのでしょうか。具体的には、以下の4つが考えられます。

◎調剤室の整理整頓

「ヒートの管理が乱雑」「いつも書類を配置する場所が変わる」そんな状況になっていませんか?調剤室の整理整頓は、情報の散乱を防ぎうっかりミス防止に繋がります。

また、見た目や名前が似た医薬品の管理場所が近いと、取り間違えの原因になります。場所を離して管理を行い、対策を行いましょう。

◎調剤業務の流れを見直す

調剤・監査・投薬とさまざまな工程を行う中で、複数の薬局スタッフが関わりますよね。インシデントが起きた時点以外の業務にも、ミスの原因が潜んでいる可能性があります。

インシデントが起きた場合は、調剤業務の流れを見直し、根本的な解決を考えましょう。

◎機械・システムの活用

分包機や監査システムなど、薬局では機械の導入が進んでいます。人的ミスの減少は、インシデント発生低下にも繋がります。

さらに、機械・システムの導入により、対人業務の時間増加が可能となりました。薬歴確認や患者の体調・状況の把握などをしっかり行うことも、インシデントの発生対策となります。

◎投薬時は、声を出して患者と薬を確認する

投薬時に声出し確認を行うことで、数え間違いや薬の取り間違えの防止ができます。患者が自分の薬について把握できるよう、薬剤名や用法用量を指差し、一緒に確認を行いましょう。

患者と一緒に確認作業を行うことは、認識のズレを減らします。コミュニケーションも生まれるため、より良い服薬指導にも繋がります。

■まとめ

インシデント発生を防ぐためには、薬局スタッフ一人ひとりの意識づくりが重要です。さらに、「誰か一人だけのせいではない」という薬局全体の意識作りも大切なのではないでしょうか。1つのミスの背景には、さまざまな要因が考えられます。より良い業務に繋がるよう、改善を繰り返していきましょう。

(松岡マイ 医療/取材ライター・編集者)