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耳鼻咽喉科クリニックのシステム化ワークフロー

2022.03.02

「耳鼻咽喉科クリニックのシステム化ワークフロー」

耳鼻咽喉科クリニックのシステム化は、①電子カルテ、②検査管理、③順番管理の3点を考える必要があります。また、耳鼻咽喉科の特徴として、患者数が多く、処置が多いため、カルテ記入に掛けられる時間が少ない中で、いかに効率的にカルテをしっかり書くかが重要になります。言い換えれば、いかに素早くカルテ記載を完了するかがカギとなります。

電子カルテ入力のスピードアップ

まずは、電子カルテのポイントから説明いたします。電子カルテはいかに素早くカルテ作成を完了させるかですから、入力スピードをいかにアップするかを考えなくてはなりません。スピードアップの秘訣は、「セット化」と「クラーク運用」にあります。前者は電子カルテ操作の「省力化」を意味し、後者は電子カルテ操作の「業務分散」を意味しています。業務を減らし、業務を分担するのは、業務効率化の原則です。

診療行為と病名のセット化

「セット化」については、所見、検査(画像)、処置、処方、そして病名のすべてをセット化することで、入力の手間を大幅に削減することが可能です。

 例えば、鼻水と目のかゆみを訴えている患者様を考えてみましょう。所見は鼻、喉、目の症状を確認します。過去に検査をしていなければ、アレルギー検査を実施します。また、鼻や喉、ネブライザーなどの処置を行います。処方は、アレルギー薬、点鼻薬、点眼薬を選びます。病名はアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎となります。この一連の流れをセット化することで、入力は飛躍的にスピードアップすることが可能です。

 セットについては、最初に頻出する疾患をいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られていきます。また、セットは医師やクラークが覚えやすいように名称を付けるとともに、配置についても、鼻、喉、耳、大人、子供といったように区別して配置しておくと探しやすくなります。

忘れてはならないのは、セットを更新した際には、必ず情報連携を行うことです。これは電子カルテを入力する誰もが心得て欲しいところです。いつの間にかセットが更新されていたり、配置が変わったりすると、トラブルのもとになります。

クラークの動き

 「クラーク」については、まず医師とクラークの役割分担を行います。どの入力を医師が行い、クラークは何を担うかを決めます。これをあらかじめ決めておくことで、医師とクラークの連携がスムーズに進みます。具体的には、初診であれば問診内容から類推し、どのセットを選ぶかを考えます。当然、患者さんの訴えは絶対ではないので、医師の診察を通して、修正が必要になります。ただし、患者の訴える症状からいくつかの疾患を想定することを訓練することで、医師の動きに伴奏することが可能になるのです。これは疾患への理解とともに、経験が必要になりますので、長い目で育成していただくことをお勧めします。

検査管理

耳鼻咽喉科の「検査」は、アレルギー検査、レントゲン撮影、内視鏡検査、聴力検査、眼振検査などが考えられます。これらの検査の流れを、医師、看護師、クラークがしっかり理解しておくことでスムーズな運用が可能になります。具体的には、検査の実施や、検査結果のカルテ記載、結果の患者説明などを整理しておくことをお勧めします。

 システム化のポイントは、検査結果の取り込みにあります。検査結果は画像ファイリングシステムにまとめ、外注検査だけ電子カルテで管理するというのが一般的な運用方法です。

順番管理

 耳鼻咽喉科は、他の診療科に比べて患者が多く、小児の患者が多いのが特徴です。そのため、待合室が混雑しやすく、待ち時間も長くなりがちです。そこで、多くの診療所では「順番管理システム」が導入されています。このシステムは銀行の発券システムのように、患者が1番、2番と診察番号(札)をシステムから発番し、それをもとに患者さんの診察順番を整理していくシステムです。

このシステムはWebから簡単な操作で発番、進行状況の確認が可能で、自分の順番が近づいてから、クリニックに向かうという受診行動が促されます。その結果、待合室で長時間患者さんが滞留することがなくなります。

まとめ

 以下に耳鼻咽喉科のシステム上のポイントを5点まとめましたので、参考になさってください。

①電子カルテはセット化とクラーク運用でスピードアップを図る

②クラークの成長は疾患への理解と経験から。長い目で育成する

③検査は、実施、結果取り込み、説明をセットで考える

④外注検査は電子カルテ、それ以外は、画像ファイリングシステムで管理する

⑤順番管理システムを導入して、院内の待ち時間の短縮、密を避ける