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小児科クリニックのシステム化ワークフロー

2022.03.16

「小児科クリニックのシステム化ワークフロー」

小児科クリニックのシステム化は、①Web問診、➁電子カルテ、③検査管理(院内・院外)、④予約システムの4点を考える必要があります。小児科の特徴として、保護者が院内感染を怖がる傾向にあるため、予約システムは必須となります。予約システムについても、乳幼児健診や予防接種の管理が重要になることを踏まえて、全体のシステム化を検討する必要があります。

予約管理

小児科は、院内感染を恐れて待合室で待つことを嫌うことから、他の診療科と比べて「予約システム」を導入するケースが多いことが特徴です。多くの小児科では、基本は「順番管理システム」を導入し、決まった流れである予防接種や乳幼児健診は「時間予約システム」を併用して導入しています。順番管理システムは銀行の発券システムのように、患者が1番、2番と診察番号(札)をシステムから発番し、それをもとに患者の診察順番を整理していくシステムです。このシステムはWebから簡単な操作で発番、進行状況の確認が可能で、自分の順番が近づいてから、クリニックに向かうという受診行動が促されます。その結果、待合室で患者が長時間滞留することがなくなります。

予防接種の管理

年々、予防接種の種類が増えており、小児科診療所にとって業務の負荷が高まっています。そのような状況から、予防接種を管理するツールが多く出ていますので、それを活用すると良いでしょう。ツールには、予防接種管理に特化したシステムや、予約システムに組み込まれたシステムなどがあります。通常の予約と組み合わせて、全体のシステム設計を行うと良いでしょう。

問診業務の効率化

小児科は、幅広い疾患に対応するため「問診業務」が重要です。問診票を確認しながら、看護師が患者に聞き取りを実施し、できるだけ多くの情報を医師の診察前に集めている診療所もあります。そこで、問診業務の効率化のために、「Web問診システム」の活用をお勧めしています。Web問診は、子供の保護者が来院前に問診を入力することが可能です。診療所の外で入力することが可能であるため、ゆっくり落ち着いて入力することができます。また、問診の抜け漏れも少なくなります。さらに、新型コロナウイルスの感染対策としての効果も期待できます。

検査管理

小児科の「検査」は、検体検査(院内・院外)や超音波検査、心電図検査などが考えられます。検体検査は院内で実施するもの、外注検査センターに依頼するものがあります。これらの検査の流れを、医師、看護師がしっかり理解しておくことでスムーズな運用が可能になります。具体的には、検査の指示や実施、検査結果のカルテへの反映、結果に対する患者説明の記録などを整理しておくことをお勧めします。

システム化のポイントは、検査結果の取り込みにあります。超音波などの画像による検査結果は「画像ファイリングシステム」にまとめ、外注検査やデジタルカメラの画像を電子カルテで管理するというのが一般的な運用方法です。ただし、院内で検体検査を行う場合は、その検査結果をどのように電子カルテに連携、取り込むかは確認が必要です。検査結果を閲覧する際に、できるだけ一緒に確認できるものはまとめるという原則に沿って確認してください。

診療行為と病名のセット化

「セット化」については、所見、検査(画像)、処置、処方、そして病名のすべてをセット化することで、入力の手間を大幅に削減することが可能です。

例えば、インフルエンザの症状を訴えている患者を考えてみましょう。所見は熱を確認し、インフルエンザの検査を行います。既往症がある場合は、問診票や過去カルテを確認します。処方は、インフルエンザ薬や解熱剤などを選びます。病名はインフルエンザウイルスとなります。この一連の流れをセット化することで、入力は飛躍的にスピードアップします。

セットについては、最初に頻出する疾患をいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られていきます。また、セットは医師やクラークが覚えやすいように名称を付けるとともに、配置についても、疾患ごと、大人、子供といったように区別して配置しておくと探しやすくなります。

忘れてはならないのは、セットを更新した際には、必ず情報連携を行うことです。これは電子カルテを入力する誰もが心得て欲しいところです。いつの間にかセットが更新されていたり、配置が変わったりすると、トラブルのもとになります。

クラークの動き

「クラーク」については、まず医師とクラークの役割分担を行います。どの入力を医師が行い、クラークは何を担うかを決めます。これを決めておくことで、医師とクラークの連携がスムーズに進みます。

具体的には、初診であれば問診内容から類推し、どのセットを選ぶかを考えます。当然、患者の訴えは絶対ではないので、医師の診察を通して、修正が必要になります。ただし、患者の訴える症状からいくつかの疾患を想定することを訓練することで、医師の動きに伴奏することが可能になるのです。これは疾患への理解とともに、経験が必要になりますので、長い目で育成していただくことをお勧めします。

まとめ

以下に小児科のシステム上のポイントを5点まとめましたので、参考になさってください。

①予約管理は順番管理と時間予約の2つのシステムを使い分け、予防接種の管理を重点的に構築する。

②問診業務はWeb問診を導入することで、効率化とトリアージが実現できる。

③検査は画像系は画像ファイリング、数値系は電子カルテで管理する。

④セット化とクラーク運用でスピードアップを図る。

⑤クラークの成長は疾患への理解と経験から。長い目で育成する。