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「2023年1月、いよいよスタート! 電子処方箋で業務がどう変わる?」(後編)NEW

2023.01.23

電子処方箋についての詳しいサイトを作りました。

2023126日から「電子処方箋」スタートします。そこで、医療現場の電子処方箋の運用について、後編では「オンライン診療」や「電話診療」のケース、「サービス停止時」の対応について解説します。

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電子処方箋と医療DX 前編 ・電子処方箋と医療DX 後編


「電子処方箋」は、基本的には外来で診療で、院外処方の場合をイメージして構築されています。そのため、コロナ禍で進んだ電話やオンラインでの診療の場合は、例外的な対応が必要となります。厚労省が20221028日に出した「電子処方箋管理サービスの運用について」をもとに確認してみます。

 

オンライン診療の際に処方箋の原本が電子化される

 通知では、電子処方箋のメリットとして、「オンライン診療の際、患者は処方箋の原本を電子的に受け取ることが可能となる。また、患者は、薬局への処方箋の事前送付をより簡便に行うことができるようになり、薬局での待ち時間が短縮されることが期待される」としています。

これまでは紙の処方箋が原本であったために、オンライン診療では、患者が薬局で薬をもらう際に、紙の処方箋をもって薬局に行くか、薬は郵送してもらったとしても、後日原本を送付するなどの対応が必要でした。電子処方箋であれば、原本は電子データになり、紙はあくまで控えに過ぎなくなるために、その手間が必要なくなるのです。合わせて、処方箋をメールやSNSでやり取りすることについても、「電子メールやSNSによる処方箋の送受信は、システム的に解決できない問題があり、医療情報の安全なやりとりを完全には確保できない」として明確に禁止されています。

 

オンライン診療の際の処方箋「控え」のやり取り

 外来医療では、電子処方箋の場合、患者に「電子処方箋の控え」を提供することになります。この控えについては、「紙」が想定されています。しかしながら、オンライン診療の場合は物理的に紙の控えを提供するのが難しいため、通知では「患者が迅速にかつ簡便に確認できる方法であれば、具体的な手法は問わない。オンライン診療等により紙による手交が困難なときは、オンライン診療アプリケーション等を活用し、当該控えを画面上に表示させる等の対応を行う」としています。つまり、オンライン診療の際は、「(電子処方箋)控えのPDF」をオンライン診療のアプリ等に登録し、提供する方法でも構わないことになります。

 

電話診療のケース

20204月から新型コロナウイルス感染状況下における特例措置により電話による(初診から)診療が可能となっており、利用が増加しています。この電話診療の際の電子処方箋の「控え」についての運用はどうなるのでしょうか。

通知では、「(電話診療など)画面に表示することもできない場合について、患者の同意が得られれば口頭で処方内容を伝達し、あわせて口頭で引換番号を伝達する方法によることも可能とする」としています。つまり、電話診療の際は、「控えのPDF」をやり取りする方法がありませんので、クリニックは処方内容と引き換え番号を口頭で伝え、薬局において、それが確認できれば問題ないことになります。

 

電子処方箋管理サービス停止時の対応

 さて、電子処方箋が止まった時はどうすれば良いのでしょうか。電子処方箋管理サービスはクラウド上でやり取りする仕組みであり、一時的に何らかの影響で運用が停止されるケースが予想されます。具体的には、「電子処方箋管理サービスが、電子処方箋の発行や受理に関する機器の障害、電子署名システムの不具合、電子処方箋管理サービスに接続するためのネットワークの停止など、電子処方箋管理サービスが様々な原因により機能しなくなる場合や災害の影響を受ける場合がある」というケースが想定されています。

 医療機関については、電子処方箋が発行できない場合に備えて、「紙の処方箋」に切り替える機能を残しておく必要があるとしています。その場合、「医療機関は処方情報を電子処方箋管理サービスに登録する必要はない」としています。

また、電子処方箋の発行後に電子処方箋管理サービスが停止した場合は、以下のような対応を考えています。

 

1       医療機関が近隣である場合には、患者に対し、医療機関に戻り、紙の処方箋を再交付してもらうことを依頼

2       医療機関が遠方である場合には、医療機関に薬局又は患者から連絡し、紙の処方箋を再交付してもらうとともに、それを薬局にメール、FAX 等で送付してもらい、紙の処方箋の原本は後日郵送で薬局に送付してもらう

いずれの場合についても、医療機関において、電子処方箋の取消を行い、同じ処方内容による調剤が重複して行われないように対応する必要があります。