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設備投資で効率化
2024.01.22
薬局で対人業務を行うためには、対物業務の効率性を上げることで対人業務の時間確保をすることが大切です。ただし、効率性を上げるために闇雲に機械への投資をすれば経営は成り立ちません。どんなときに投資を考えれば良いのか、投資以外の選択肢はないのか一緒に考えてみましょう。
このコラム内容について 設備投資への考え方が身につきます。 |
【目次】
1.投資対効果の考え方
投資をする上で考えなければならない大切なポイントは「投資対効果」です。特に今をときめくような機能を搭載した機械は、価格が高いことが多いです。「投資が必要かどうか」を決められるフローを紹介します。
薬局経営のワンポイント 多くの経営者は買うか否かから入りますが、私がコンサルタントとして入るときには、まず投資するか否かの議論を止めます。
最初に考えることは、「店舗の総技術料」を「店舗の人件費」で割ります。この値が低い店舗は、生産性が低い可能性があります。該当店舗は、投資する前に次のことを考えます。
① 過剰品質になっていないか 患者様第一でやることは大切ですが、薬局は診療報酬で値決めはできませんから、「過剰品質」にも注意が必要です。生産性を考えた時に、過剰品質は、業務量を増やすことになってしまいますので、勝負しているポイント以外は、あまり力点を置かないことをアドバイスします。
② 調剤のやり方 非薬剤師業務について注目が集まっていますが、とても大切な考えであると思います。一つ一つの行動がどのようなメリットに繋がっているのかを考え、有資格者には有資格者の仕事に絞り、技術料を上げる努力をする仕組みを作るべきでしょう。
①と②を修正していく過程で必要な場合、設備投資を検討します。 設備投資をするときは、技術料が●●点アップするとか、人件費の圧縮ができるとかシミュレーションは必ず必要です。 |
2.購入vsリース
「購入」と「リース」のどちらを選びますか。
購入すれば、おそらく総額が安価に購入が可能でしょう。しかし、高額商品を買うとキャッシュが減少することと、高額商品であれば固定資産税が発生することが起こると思われます。
リースは逆であり、総支払額は購入する場合よりも110%~120%程度で増えると思われます。しかし、キャッシュを温存できるなどのメリットがあるかと思います。
薬局経営のワンポイント 一般論として、中小企業の場合、経営が厳しい時は、銀行がお金を貸してくれにくくなりますから、現金を多めに持っておく必要があります。 「機器を購入後も、預金が売上の3~4か月分以上残る」ようであれば、購入しても良いかと思います。一方で、それ以下の預金になる場合は、経営は予期せぬ色々なことが起こり得るので、預金は温存し、購入ではなくリースにしておいた方が良いのでは無いでしょうか。 |
3.設備投資を考えるときは、ピンポイントで考える
薬局様が設備投資に対して一番の疑問は、投資回収ができるかどうかでしょう。
基本的に、私はピンポイントの投資が良いと思います。
イメージは、「1本の針しかもっていない鍼灸師」です。
私達コンサルタントもそうですが、事業体のほとんどは多くの課題が存在するでしょう。
課題全てへの手当ては理想ではありますが、実施しようと考えれば会社はごちゃごちゃになってしまいます。また、本来、設備投資は予算以上の効果があるから行うのであって、本末転倒になってしまいます。
薬局経営のワンポイント 1本の針しかないならば、どこが急所であるのかを追求しなければなりません。 シンプルに考えれば、利益に直結するポイントはどこか?または、薬剤師の省人化可能なポイントはどこか?に焦点を当てることになるでしょうが、どこが課題なのかは経営していればおおよそ見えてくるでしょう。課題の棚卸しが難しいのであれば、弊社でも無料相談もしていますので使ってください。
注意点は、この急所ポイントは社員達に聞いてもでてきません。それどころか、社員達が都合の良いことを言われるケースが多いように思います。
一番大切なのは、自社の急所を知ることですが、次に、効果的な商品にも触れることが大切です。どんなことを機械化できるのか、省力化することができるのかなどが見えてきます。
最近は、色々な医療機器だけでなく、医療事務が行っている入力作業を、代行するサービスも出てきています。最低賃金も上昇しており、一人追加で医療事務を雇うよりも投資対効果が高いとなる場合もあるでしょう。色々な商品を見ることで、自社にあった対策が打てるのではないでしょうか。 |
4.EMシステムズの新商品
薬局経営のワンポイントでも挙げさせていただきましたが、2024年春より、処方箋シェアリングが可能なオプションがあります。処方箋入力をまとめて行うことができるサービスです。対物業務について再度考えてみてはいかがでしょうか。
https://emsystems.co.jp/ir/irnews/2023/231128_01.pdf
著者紹介
鈴木 素邦 有限会社クラヤ代表取締役
薬学部卒業と同時に薬剤師免許取得。新卒で薬剤師国家試験予備校に講師として就職。講師業は年間100日以上、15年間で9000時間以上登壇。短時間で最大限の情報を講義内容と話し方に評価を受け、東京大学など全国32大学への出張講義。武田薬品工業(株)、ファイザー(株)等大手製薬企業20社以上の研修講師へと幅を広げた。
27歳で管理職に昇進。最初は、マネージャー職に苦戦するも薬剤師合格率(20部署中)1位を予備校始まって以来初の3年連続達成。
薬局薬剤師の経験を経て、専門部署を持てない中小薬局専門のコンサルティング会社を経営。「お客様の思いをカタチに」をモットーに中小薬局経営者の右腕になれる存在を目指している。特に、地域支援体制加算の算定や在宅導入サポートは好評。
著書に「薬の裏側(総合法令出版社)」があり、服薬指導に厚みを持たせる研修も好評。