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令和6年4月の障害福祉サービス等報酬改定後に引き続き検討・検証される事項

2024.02.21

令和6年4月の報酬改定に係る検討を行う中で出た意見等を踏まえ、以下の12個の事項について、今後も引き続き検討・検証を行うとされている。

関連コラム:https://em-avalon.jp/column/detail?id=297

《引き続き検討される事項》

①障害者支援施設の在り方について

・障害者支援施設の在り方についての検討を進めるため、令和6年度において、今後の障害者支援施設が担う役割や機能等に関して整理しつつ、更なる地域移行を進めていくための調査研究の実施や検討の場を設ける

②共同生活援助における支援の質の確保について

・共同生活援助における障害者の特性に応じた支援や、サービスの質を評価するための具体的な基準の在り方について、支援に関するガイドラインの策定や、管理者、従業者等に対する資格要件や研修の導入等について、令和6年度以降検討する。また支援の質の確保の一つとしても令和7年度から各事業所に地域連携推進会議を設置し地域の関係者を含む外部の目(又は第三者による評価)を定期的に入れる取組が義務付ける。

③共同生活援助における個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置の取扱いについて

・今年度末までの経過措置とされていた、共同生活援助を利用する重度の障害者が個人単位で居宅介護等を利用することについては、引き続きその在り方を検討する。今回の経過措置は、令和9年3月31日まで延長する。

④障害福祉サービスの地域差の是正について

・障害福祉サービスの地域差を是正し、サービスの供給が計画的かつ効率的に行われる方策について、必要なサービスが公平かつ適正に提供されるよう、共同生活援助における総量規制も含めた地域の実態や地域移行の状況を踏まえた事業所指定の在り方について検討する。

⑤計画相談支援及び障害児相談支援について

・相談支援事業所における手話通訳士等によるコミュニケーション支援の実態を把握するとともに、コミュニケーション支援の体制を確保する方策について検討する。

⑥質の高い障害児支援の確保について

・質の高い障害児支援の提供を推進するため、支援に当たる人材の配置や評価の在り方について検討される。

・障害児相談支援について、セルフプランの状況等も踏まえながら、必要な質・量を確保する方策について、引き続き検討する。

⑦障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現について

・障害福祉サービスについて、障害者が希望する地域生活を実現するとともに、多様化する利用者のニーズに応じて質の確保・向上を図る必要がある。こうした中で、制度の持続可能性を確保する観点から、サービス間・制度間の公平性を踏まえ、報酬改定におけるサービスの質等に応じたメリハリある報酬設定等、公平で効率的な制度の実現に向けた検討する。

⑧処遇改善の実態把握等について

・今回の改定が、福祉・介護職員の処遇改善に与える効果について、実態を把握する。

・今回の報酬改定では、処遇改善分について2年分を措置し、3年目の対応については、上記の実態把握を通じた処遇改善の実施状況等や財源とあわせて令和8年度予算編成過程で検討する。

⑨経営実態調査のさらなる分析について

・次回の障害福祉サービス等報酬改定に向けては、障害福祉事業所・施設の経営実態等をより適切に把握できるよう、「障害福祉サービス等経営概況調査」や「障害福祉サービス等経営実態調査」において、特別費用や特別収益として計上されている経費の具体的な内容が明確になるよう、調査方法を見直し、次回以降の調査に反映させる。更に情報公表未公表の場合の減算や指定更新の際に確認するといったことが今回の改定では追加されたが、どこまでの項目の公表をしなければならないのかということの検討が進められる。

⑩食事提供体制加算等について

・食事提供体制加算は、食事提供時における栄養面での配慮を行うための要件を新たに設け令和9年3月31日まで経過措置を延長することとされるが、栄養士等が献立作成に関わること、栄養面について確認した献立などの要件が加わった。利用者ごとの摂取量を記録していることと言ってもどこまでの記録が必要かどうかまだわかっていない。他制度とのバランス、在宅で生活する障害者等との公平性等の観点も踏まえつつ、今後、経過措置の実施状況や効果を踏まえた上で、更に検討を深める。

・児童発達支援センターの、自園調理を前提とした基準(調理室の設置、栄養士等の配置)について、今後、構造改革特別区域法に基づく特例措置の全国展開に関する検討に対応することとし、同特例措置の実施状況や現場の支援の状況等も踏まえながら、更に検討を深める。

⑪補足給付の在り方について

・今回の改正では、補足給付に係る基準費用額の見直しが行われ55,500円となった(現行は54,000円)。また施設入所者に対する補足給付は、他制度とのバランス、在宅で生活する障害者との公平性等の観点も踏まえ、引き続き検討する。

⑫事業者が提出する各種様式等の簡素化・標準化について

・障害福祉サービス等事業者が障害者総合支援法等の規定に基づいて地方公共団体に対して提出する指定申請関連文書等について、令和5年度中に作成する標準様式等の普及の状況等を踏まえ、標準様式等の使用の基本原則化について検討する。

また、令和6年度に電子的に申請・届出を可能とするためのシステムの整備に向けて検討される。

今後多店舗展開を進める事業所にとっては、様式が標準化されることは業務負担も減る可能性が高い改定内容と考える。

しかし一定のローカルルールは継続されると考えられるため、その場合、どのような書式もしくはルールになるのか今後の動向をみていきたい。

日本クレアス税理士法人