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医療DXで対物業務、対人業務を効率化

2024.02.21

最近よく聞く「医療DX」がどのように対物業務や対人業務に関わってくるのか考えてみましょう。

このコラム内容について

医療DXってどんな内容があるのかがわかります。

国のめざしたい姿、対物業務、対人業務の視野が広がります。

【目次】

  1. DXってなに?
  2. 医療DXの種類
  3. EMシステムズの商品


1.DXってなに?

そもそも、「DX」とは「デジタルトランスフォーメーション」の略であり、デジタル技術を使ってビジネスや業務を変え、使いやすくしたものです。例えば、薬局や医療機関でも見かけるセルフレジもその一つです。

患者さんは、商品のバーコードをスキャンし、自分で支払い手続きを行うことが可能となります。

これにより、従来のレジ待ちや会計時間が短縮します。薬局側の労働コストをセルフレジとすることで、時間効率化が図れます。このように、デジタル技術を使いながら生産性を上げることがDXとなります。

一方で、DXで企業が陥りやすい罠もあり、注意が必要です。

先ほどの例では、セルフレジを構成する技術に「バーコードで読み取る」や「会計を自動でできる」がありますが、それだけでは患者さんも薬局も生産性が上がるとは言い切れません。手作業を機器等での作業に置き換えたことをデジタル化と呼び、DXとは言いません。

DXにあって、デジタル化にないことは「生産性が上昇する」か、否かです。

薬局経営のワンポイント

コンサルタントをしていると、設備投資(デジタル化)はされているが、DX(生産性向上)までやり切れていない薬局が多い様に感じます。セルフレジの例でも、機械は導入されているが店舗の隅っこにおいてある場合や、患者さんをセルフレジに誘導していなければ、設備投資止まりで勿体ない状態です。このコラムを読まれた方は、設備投資をしただけでなく、DXできているかまでチェックしましょう。

2.医療DXの種類

医療DXには2つの種類がありますので、混同しないようにしてください。

  • 国が進めている「医療DX政策」

文字通り、国が推し進める指針になります。薬局の大きく関わるところを抜粋すると「全国医療情報プラットホームの創設」があります。

出典 厚生労働省   https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001144379.pdf

 

上図は、医療全体に対して作られた図ですが、調剤報酬改定で今後問われてくる可能性が高いところになるのは間違いありませんからチェックしておきましょう。図の要点は、オンライン資格確認のネットワーク、電子処方箋、電子カルテ等の拡大で、医療介護全般についての共有ができる全国的なプラットホームを創ることになります。期日は、2030年には100%浸透することが国の目標とされています。

目標を具体化するために早速、2024年調剤報酬改定にも反映されています。

その加算は、「医療DX推進体制整備加算4点(月1回)」の新設であり、具体的に、この点数が取るための薬局の施設基準は、以下のことが整備されていることとされています。

・オンライン資格確認の体制あり/活用している

・電子処方箋受付可能な体制(令和74月~)

・電子調剤録及び薬剤服用歴の管理の体制を有。

・電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有。(令和710月~)

・マイナ保険証利用率の実績あり(令和610月~)

・医療 DX 推進の体制の掲示(Web掲載も令和76月~は必要)

薬局経営のワンポイント

国が政策を行うと方向性を示すと、税金が投下されていることもあり、診療報酬(調剤報酬)改定を使いながら、基本的には実行されるまで強化されます。加算が高い点数が提示されている間に国の方向性に沿うのが経営として賢いと思われます。

  • ベンダー(EMシステムズなど)や薬局独自で取り組んでいる新商品や仕組み

薬局の生産性を上げる医療DXは、この内容です。

新商品を使いながら、今の仕事を変化させていくことを取り上げます。

便利だから良いだろうなどいろいろあると思いますが、そもそもの大切な3か条を先に書きます。

薬局経営のワンポイント 医療DXを考えるときの大切な3か条

①    「人間が得意なこと」「機械が得意なこと」を予測しましょう

20年前の薬局の環境と比較して、今はどうでしょうか。20数年前、私は薬学実習生として薬局や病院に行きましたが、全自動軟膏練り機が世の中に出始めたころで、軟膏の綺麗な詰め方が大切であると習った世代です。しかし、今は練り物をそれなりに処方応需する薬局では当たり前に全自動軟膏練り機が置いてあり、軟膏詰めが上手いか否かと話題に上ることはかなり減っているのではないでしょうか。機械が得意なことを人間がやり続けても、自分の可能性を狭めてしまいます。やるべきことの未来はどうなるか考えておくと投資判断になると思います。

 

②    人を巻き込む

DXは、経験したことのない未来へメンバーを引き連れていくことになります。DXをけん引する人も未来がわからないと思いますが、強い意志&行動力が必要です。既存の状態を維持する方が誰でも楽ですから、強い意志&行動力がないとプロジェクトは止まってしまいます。だれかにお任せするよりも、自分が先頭に立って進める案件であると思います。

 

③    投資対効果を考える

DXすることには、初期投資が必要になります。投資対効果を考え方については、前回のコラムを参考にしてください。

 

3.EMシステムズの商品

EMシステムズが構築する仕組みをご紹介します。自社の状況を見て使えそうなものを見てみましょう。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000081158.html

 

診療報酬(調剤報酬)改定が大詰めですね。今回は、6月~新基準スタートで、我々の業界にとっては検討の時期であると思います。自分の薬局の未来を見据えながら、戦略を考えてみましょう。

弊社では、1時間無料相談もしておりますのでご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。

著者紹介

鈴木 素邦 有限会社クラヤ代表取締役

薬学部卒業と同時に薬剤師免許取得。新卒で薬剤師国家試験予備校に講師として就職。講師業は年間100日以上、15年間で9000時間以上登壇。短時間で最大限の情報を講義内容と話し方に評価を受け、東京大学など全国32大学への出張講義。武田薬品工業(株)、ファイザー(株)等大手製薬企業20社以上の研修講師へと幅を広げた。

27歳で管理職に昇進。最初は、マネージャー職に苦戦するも薬剤師合格率(20部署中)1位を予備校始まって以来初の3年連続達成。

薬局薬剤師の経験を経て、専門部署を持てない中小薬局専門のコンサルティング会社を経営。「お客様の思いをカタチに」をモットーに中小薬局経営者の右腕になれる存在を目指している。特に、地域支援体制加算の算定や在宅導入サポートは好評。

著書に「薬の裏側(総合法令出版社)」があり、服薬指導に厚みを持たせる研修も好評。

YouTubeチャンネル(薬剤師そほうの薬局経営塾)