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BIツールを活用した令和6年度調剤報酬改定のシミュレーション

2024.03.08

令和6年度の調剤報酬改定について、弊社提供サービスである「MAPsオプション|BunseQI(ブンセキ)」(以下、「BunseQI」と記載)での分析と対策について、今回はご紹介します。(前回の記事はこちら

最初にBunseQIでの調剤報酬改定シミュレーションは、以下の5つを前提としてシミュレーションを行います。

1.受付回数やそれぞれの各種加算の算定回数は直近1年間と同等として試算

過去1年間の数字の実績をもとに、リアルなシミュレーションが確認可能です。過去1年間の数字の実績をもとに、リアルなシミュレーションが確認可能です。

2.地域支援体制加算などの調剤基本料は直近の実績が1年続くとして試算を実行

1年間の途中で加算項目が変更になった場合、例えば、地域支援体制加算1が1年の途中から地域支援体制加算2になった場合には地域支援体制加算2を算定している前提でシミュレーションをし、より実績に近いしミューレションを実行します。

3.報酬改定による点数の影響を計算

地域支援体制加算の影響▲7点(47点→40点)として(直近1年間の受付回数)*▲7点として計算を行います。

4.過去の実績との差を考慮

地域支援体制加算1から地域支援体制加算2に変更されている場合、上述の2と3を加味し、直近1年間の実績を地域支援体制加算2(40点)としてシミュレーションを行います。

5.地域支援体制加算など「みなし」があるものは実績を優先します。

BunseQI上では「項目数」で要件を満たさないが「地域支援体制加算4」を算定している場合、実績を優先して今後も「地域支援体制加算4」を算定すると試算し、BunseQI上では「項目数」で要件を満たしているが「地域支援体制加算」を未算定の場合、今後も「地域支援体制加算」を未算定として試算します。



最初に、今回の調剤報酬改定ついて、基本料や地域支援体制加算、医療DX推進体制整備加算など、重要な項目ごとBunseQI上のシミュレーションで主な計算についてご紹介します。

まず、基本料は+3点となっており、敷地内薬局の特別調剤基本料については▲2点として計算しています。また、自動で基本料2の受付回数が月に4,000回で、集中率については上位1医療機関から、3医療機関へと変更された点を考慮して試算を行います。地域支援体制加算については、7点減少しています。9項目から10項目に増え、小児特定加算の算定実績が新たに加わりました。また、細かな変更点については以下の内容を考慮しています。

改定後

地域支援体制加算

1

2

3

4

点数

32

40

10

32

調剤基本料

1

1以外

1以外

時間外・夜間休日対応

40回

40回 (400回)

400回

400回

麻薬調剤

1回 (免許)

1回 (10回)

10回

10回

重複・相互防止加算

20回

20回 (40回)

40回

40回

かかりつけ薬剤師

20回 (申請)

20回 (40回)

40回

40回

外来服薬支援料1

1回

1回 (12回)

12回

12回

服用薬剤調整支援料

1回

1回

1回

1回

在宅(個人宅)

24回

24回

24回

24回

服薬情報等提供料

30回(12回)

30回 (60回)

60回

60回

新規)小児特定加算

1回

1回

1回

1回

多職種連携会議

1回

1回 (5回)

5回

5回

必須項目数

3

8 (3回)

3

8

 *2024年3月5日診療報酬の算定方法の一部を改訂する告示 「別表第三(調剤点数表) 」より作成
 *括弧は改定前、ハイライトは必須項目

シミュレーションは前回の記事にも記載の通り、画面上の短冊ボタンをクリックするとこれまでご紹介した項目に加えて他の調剤報酬改定項目まで含めて、影響額が一目でわかります。BunseQIでは初期設定で同一グループ内の受付回数が40万回以上になっているため、同一グループ内の受付回数が異なる場合には項目をクリックして設定をすることでより精緻にシミュレーションをすることが可能です。シミュレーションを実行すると、各店舗の影響額や、個別薬局の影響などが表示されます。特に影響額が大きいものは、プラスでは基本料、マイナスでは地域支援体制加算となっており、特に地域支援体制加算については「みなし」の項目があった場合や地域支援体制加算のランクダウンや加算要件を満たさなくなることで、マイナスの影響がさらに大きくなります。

ここから、実際に調剤報酬改定シミュレーションの画面をご確認いただきます。画面上に記載される項目について説明していますので、ご確認ください。

調剤報酬改定のシミュレーション画面


<BunseQI:報酬改定シミュレーション画面①>

個別店舗の影響の詳細

<BunseQI:報酬改定シミュレーション画面②>

基本料についてもシミュレーションを設定可能です。基本料はシミュレーション上、自動的に設定されますが、個別の事情があり、基本料3を算出する場合にも個別に設定が可能です。

また、医療DX推進体制整備加算の4点についても詳細な要件が出ていませんが、マイナンバーカード保険証の利用率に関わる項目についてもシミュレーションを実施できるように準備をしています。

今回は、BunseQIを用いて、令和6年度調剤報酬改定の影響についてシミュレーションの前提条件や試算方法について確認しました。次回は、BunseQIを用いた調剤報酬改定の対策として、今回変更が多かった地域支援体制加算についての対応方法について見ていきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。BunseQIを利用した分析や・シミュレーションの詳細、デモなどをご希望の方は以下からお問い合わせください。

 https://service.emsystems.co.jp/maps_series/for_pharmacy_bunseqi/

 2024年3月7日 作成:株式会社EMシステムズ