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  • #薬局経営

人件費と実績

2024.04.18

「働き方改革」や「賃上げ」の話題が多方面から上がってくる昨今ですが、皆様の薬局は人件費についてどのように考えているでしょうか。薬局は代表的な労働集約型ビジネスであるため、人件費をどう捉えるかはとても大切な視点になるのではないでしょうか。

【目次】

  1.  働き方改革や賃上げで生き残るために
  2.  モチベーションと実績と給料
  3.  EMシステムズの関連商品


1.働き方改革や賃上げで生き残るために

 働き方改革の手段は、労働時間の短縮ということは良く焦点となりますが、目的が理解されていないことが多いように思います。
そこで、目的を改めて確認してみましたところ、「少子高齢化が進む(労働人口が将来40%減少する)日本の課題に対応し、日本経済の活力を維持するための取り組み」となっています。ここへの対抗手段として「生産性の向上」や「働き方の多様性」を進めているのです。となると、日本経済の活力維持を目的とすると、最初に考えなければならないのは、労働時間の短縮ではなく、会社は「高収益企業」になるということなのではないでしょうか。さらに、国から賃上げが指南されていますので、私の答えは、下図のような考え方を持てれば、会社経営は上手くいくと考えています。

著者作図

図を解説しますと、人への投資をすることで、人の価値が高まるのが、最初のステップです。その後、人が育つまで時間はかかりますが、粘り強く投資を続けます。特に、単年度で考えず、複数年で成長するように続けることで、少しずつ人の価値が進化をします。人の価値が高まれば、売上や粗利益に現れ、利益につながります。

 

2.モチベーションと実績と給料

 人の価値は額面通りにはなりません。同じ給料を払っても、実績はマチマチです。さらに、時間がたてば進化もするし、劣化もする特徴があります。個人だけでなく、人同士の組み合わせで化学反応が起こり、生み出される実績は変わってきます。実績と給料はどんな因果関係があるのでしょうか。

次に、実績を高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。
答えとしては、社員のモチベーションと実績に、深い関係があることがわかっています。

上図はお客様満足度(CS)や従業員満足度(ES)を示すと実績をまとめたものですが、CSとESは、業績の先行指標になることもわかっています。
詳しく書くと「ES且つCS↗→売上高や売上高営業利益率↗」となりやすい調査報告も厚生労働省より出ています。

出典:厚生労働省 今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業より P19

 

著者作図

今日のコラムでは、「人の価値を高めることで、利益を増やす。」また、「人の価値を高めるためには、給料だけでなく、多様な従業員満足度を高めること」を意識して書きました。

 

3.EMシステムズの関連商品

 従業員満足度を高める最もベーシックな手法は、従業員自身が自分の仕事が上達することと言われています。仕事ができると、やりがいに繋がり満足度が上昇します。
一つの方法として以下のシステムをご紹介させていただきます。

出典:【EMシステムズ】MAPsオプション BunseQI

 

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著者紹介

鈴木 素邦 有限会社クラヤ代表取締役

薬学部卒業と同時に薬剤師免許取得。新卒で薬剤師国家試験予備校に講師として就職。講師業は年間100日以上、15年間で9000時間以上登壇。短時間で最大限の情報を講義内容と話し方に評価を受け、東京大学など全国32大学への出張講義。武田薬品工業(株)、ファイザー(株)等大手製薬企業20社以上の研修講師へと幅を広げた。

27歳で管理職に昇進。最初は、マネージャー職に苦戦するも薬剤師合格率(20部署中)1位を予備校始まって以来初の3年連続達成。

薬局薬剤師の経験を経て、専門部署を持てない中小薬局専門のコンサルティング会社を経営。「お客様の思いをカタチに」をモットーに中小薬局経営者の右腕になれる存在を目指している。特に、地域支援体制加算の算定や在宅導入サポートは好評。

著書に「薬の裏側(総合法令出版社)」があり、服薬指導に厚みを持たせる研修も好評。


YouTubeチャンネル(薬剤師そほうの薬局経営塾)