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「リーダー」になったら知っておきたい3つのこと
2024.05.21
今日のテーマは「リーダーシップ」です。薬局は、たくさんの人がチームとなって、一つの成果を出す仕事です。一人の個の力だけで突破できるような仕事ではありませんから、チームを作る「リーダーの力」が薬局の成功のカギを握ります。経営目線で考えると、業績を決めるのは、5割以上が方向性と3割が人材です。薬局の場合、方向性は国が診療報酬改定で示してくれていますから、厚生労働省の流れに乗っていけば、大きくは外れません。ですから、薬局経営で差がつくのは、人材ということになり、人を束ねるリーダーの力は、経営を左右すると言っても過言ではありません。良くあるリーダーの失敗事例を今日はいくつか用意しましたので、事例を通じて確認してみましょう。
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【目次】
- よくあるリーダー失格の例 ①言動に一貫性がない
- よくあるリーダー失格の例 ②ことなかれリーダー
- よくあるリーダー失格例 ③メンバーに任せない
- これから必要とされる薬局でのリーダーシップ
- EMシステムズの商品
1.よくあるリーダー失格の例 ①言動に一貫性がない
診療報酬改定も2年に1回行われ、国の方向性もコロコロと変わる時代で、朝令暮改のように会社から指示が良く変わるという職場が多いと思います。そのなかでも、メンバーが変化を楽しむようにイキイキとリーダーシップを発揮する職場もあれば、度重なる変更に振り回され、呆れかえって士気が下がる職場もあります。
その違いはどこにあるのでしょうか?
例えば、「薬局の高利益体質及び給料原資を維持する」と一貫した背景があれば、今回の改定で地域支援体制加算の難易度が高まろうが、みんなの生活を守るために難しいことへもチャレンジしていこうという雰囲気に傾きます。逆に、メンバー側のメリットは何も伝えず、ただただ2年に1回方針転換を繰り返している組織は、士気が下がってしまいます。 勝負の分かれ目は、リーダーが大切にしている価値観が理解され、メンバーがその価値観を拠り所にさせられるかがポイントです。 |
2.よくあるリーダー失格の例 ②ことなかれリーダー
職場では、様々なニーズがあり、ときとして相反や衝突が起こるものです。あちらを立てればこちらが立たず、という状況は珍しくありません。そこで、リーダーに相談されるケースは良くあるパターンです。ここで、リーダーはメンバーの課題に真剣に向き合ってくれているのか試されます。
勝負の分かれ目は、自身の権限や人脈を使って手助けをすることや、プライベートな事情も含めて、個々人の悩みに向き合い、なんとかうまくいくように一緒に考えられることなどが挙げられます。決して行ってはいけないのは、相談を受けたのに「取り合わない」とか、「うまくやっておいてよ」と返すなどで、求心力は低下してしまいますので、ご注意ください。 |
3.よくあるリーダー失格例 ③メンバーに任せない
メンバーがリーダーシップを発揮するためには、「自分で決定する余地」がなければなりません。
特にわかっていることは、4つの「T」を自分で決めることがモチベーションを高めることができると著名な社会学者は説いています。
Task(課題)~方針を決めることができる
Time(時間)~スケジュールを決めることができる
Technique(手法)~やり方をきめることができる
Team(チーム)~誰と行うか決めることができる
4つのTをすべて、メンバーに任せる必要はありませんが、いくつかは判断できるようにしてあげる工夫が良いです。但し、未熟なメンバーは場合によっては丸投げされたとモチベーションを下げてしまう場合があったり、重要な仕事で任せられない仕事もあると思います。
相手の様子や、仕事の難易度を見ながら、「教育的観点」と「失敗許容度」から慎重に判断が重要です。
実は、仕事を与える段階で「失敗しても良いから頑張ろう」と伝えてはいけません。 どんな仕事も、失敗してはいけないものです。生半可な気持ちで仕事に向き合い、失敗が許されるものなど世の中にはありません。リーダーは石にしがみついてでも、成功させなければメンバーの甘えを生んでしまうだけです。ですから、仕事を与える段階では、失敗を容認することはしてはいけません。 ただ、一生懸命に取り組んだ結果、失敗してしまった場合は、チャレンジしたことを称え、失敗を許すようにしましょうというように考えてください。そうしないと、チャレンジを嫌がってしまうということになります。つまり、「仕事が終わった段階で、失敗したけど頑張った!」と容認しましょう。 |
4.これから必要とされる薬局でのリーダーシップ
2024年の診療報酬改定は、巷では「医療DX改定」とか、「在宅改定」とか言われています。今まで、DXや在宅についてあまり考えていなかった薬局でも、今回のように国から鮮明に打ち出されると、この改定の流れに乗らなければならないのではないでしょうか。
この流れに乗るためには、薬局は「変化」させていくことが求められます。「変化」するときに、リーダーシップは一番の変数であり、リーダー力により職場のモチベーション高低の差がでます。一部の事例ですが、紹介した3つのリーダー失格事例をご参考にリーダーシップの技術を磨いてみてください。
5.EMシステムズの商品
方向性を実現するために、リーダーシップが欠かせませんが同時に便利なシステムの必要です。
(医療DXを実現するには)EMシステムズのスマレキ with Receptyをご使用もお勧めです。
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筆者:鈴木 素邦 有限会社クラヤ代表取締役
1980年生まれ、千葉県出身。薬学部卒業と同時に薬剤師免許取得。新卒で薬剤師国家試験対策予備校の薬学ゼミナールへ就職。主に、「疾病と治療」を担当する講師として、東京大学など全国32大学の出張講義で教壇に立ち、大手企業製薬企業20社以上から研修依頼なども受け、短時間でわかりやすく伝わる話し方で人気を集める。27歳で管理職に昇進。マネジャー職に苦戦するも在職中に経営学修士(MBA)取得で業績が大きく向上。薬剤師合格率(20部署中)1位を予備校始まって以来初の3年連続達成。営業成績も20部署中1位達成。3万人以上の薬剤師を世に送り出す。家業事業承継の関係でやむなく薬学ゼミナールを退職し、3代目不動産会社社長に就任。
新規事業として、薬局薬剤師の経験を経て、専門部署を持てない中小薬局専門のコンサルティング会社を立ち上げ、「お客様の思いをカタチに」をモットーに中小薬局経営者の右腕になれる存在を目指している。特に、ゼロからの地域支援体制加算の算定は、1店舗経営からも喜ばれるサポートとして好評。
書籍:その1錠が寿命を縮める薬の裏側
YouTube:薬剤師そほうの薬局経営塾(調剤報酬改定など発信)
LINE公式アカウント:薬剤師そほうの薬局コンサル